ヘッダー画像

医療コラム

入れ歯相談④|石神井公園駅前四季デンタルオフィス|石神井公園駅徒歩1分の歯科

入れ歯相談④

こんにちは。院長の、中村です。

入れ歯相談例④についてです。

他院の部分入れ歯のバネのかかっている歯がダメになってしまう患者様への対応策として

部分入れ歯のバネとは

 

部分入れ歯を使っている方から、しばしば寄せられる相談があります。例えば、部分入れ歯のバネをかけた歯が次々にダメになってしまって、入れ歯が使えなくなってしまった。ということです。時には、何個もの入れ歯を次々に作った、作っても作っても、すぐにダメになる、という方もいらっしゃいます。部分入れ歯には、審美的な問題の他に、次のような機能上の悩みと問題点があります。

 

部分入れ歯の機能性の問題として、寄せられる例

部分入れ歯が痛くてかめない

バネをかけた歯がだめになり、部分入れ歯ががたついて使えない

部分入れ歯を何度も作り直して、どんどん歯が少なくなる

次々に歯が抜けて、総入れ歯になりそうで心配

実際に、部分入れ歯の機能そのものでの悩みをかかえていらっしゃる患者様は、とても多く来院されます。機能的に優れた部分入れ歯を作ることが、現実にはなかなかできていない場合が多いことの表れかもしれません。部分入れ歯の機能上の問題は、義歯の設計の問題、材料の問題、残っている歯の問題への対応がうまくいっていないことで起こります。審美的な悩みのページでも述べましたが、いわゆる金属のバネを使わない最近の審美的な義歯にも材料や設計上のいくつもの問題点をはらんでいますし、残された歯をいかに健康に保てるかどうかは、すべての部分入れ歯治療の成功のために最も重要な課題です。

 

入れ歯を支える歯を、正しく診断できているか

バネであれ、他の装置であれ、入れ歯を支えることに耐えうるかどうか、正確に診断しないと、残っている歯をダメにしてしまうことになります。入れ歯の原則を押さえた良好な設計ならば、残っている歯を守ることができますが、良くない形や、良くない設計の入れ歯を使うことで、残っている歯に大きな負担を強いることになります。そのために、安易に治療を始めるのではなく、最初に精密な検査を行い、噛む力や残っている歯の数、状態、歯周病の有無を含めての診断が必要になります。

 

弱い歯に装置をつけると、装置を付けた歯がダメになり、義歯が使えなくなる

 

さらに大きな義歯になる

大きな義歯

 

バネをかける歯の診断を間違えた時や、義歯の設計が良くない時、この繰り返しで、次々に歯を失い、義歯を作り直すことになる。歯が次々にダメになって入れ歯の作り直しが必要になり、入れ歯がだんだん大きくなってしまいます。

 

歯に負担をかけない部分入れ歯の設計が必要。

部分入れ歯は、入れ歯を支える歯にかかる力の方向を慎重に設計することが大切です。例えば、バネをかけている歯には、入れ歯で噛んだ時にかなり大きな力がかかりますが、その力の方向や、力の大きさを診断して、慎重に設計しないと、かえって歯を弱めるような害を及ぼすことも生じます。噛んだ時に痛い、あるいは、顎の粘膜に傷ができて食事がつらい、といった症状が出てくるのも、この対応がうまくできていない場合です。噛んだ時に、痛くなく使える義歯のために、義歯が沈下しないような設計をすることが十分にできていない事例が、義歯の問題の多くを占めています。

 

さらに、石神井公園駅前四季デンタルオフィスでは、部分入れ歯を作る場合に、治療のやり直しを少なくする義歯の形態にすること、そしてまた、もしも問題が生じた時にたとえ残っている歯が失われても、新しく作らずに、一度きちんと作った部分入れ歯を、修理をして継続して使えるような形にすること、など様々なことを考えて、設計・作製をしています。時には、残っている歯のほとんどに、将来の大きなリスクが想定できる場合は、総義歯になっても、使える形の義歯にすることもあります。ただし、ご自身の歯を失うことは、部分入れ歯の性能(安定性、咀嚼能力、見た目、はずれにくさ)が、少しずつ低下していく場合もありますので、残っている歯が長期にわたって機能するかどうかの診断と、残っている歯の保全が、まずは何よりも大切な要件です。

 

残っている歯を守るシステム

部分入れ歯は、残った歯と部分入れ歯の絶妙なコンビネーションで、歯がもっている本来の機能(咀嚼、会話、美しい口もと、素敵な笑顔)を回復するように設計され、高度な技術を持った歯科医師と歯科技工士により作製されたときに、最良の結果を得ることができます。部分入れ歯治療では、残された歯の保全が最も重要な課題です。治療後の歯が長く機能するためには、ホームケアと、診療室でのプロフェッショナルケアが、車の両輪のように機能することが必要です。国を挙げて予防や歯周病対策に取り組んでいるスウェーデンはもちろん、東京医科歯科大学の歯科麻酔科時代でご一緒した鮎瀬卓郎先生が学長を務めている長崎大学歯学部での研究論文でも、高齢になっても歯をあまり失わない人は、その場限りの歯科治療ではなく、定期的に歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを受けているグループであるとの報告があります。科学的エビデンスに基づいた歯を守るためのプログラムで、長期的に良好な治療結果を残しています!

 

TOPへ戻る