ヘッダー画像

医療コラム

セラミックの素材について|石神井公園駅前四季デンタルオフィス|石神井公園駅徒歩1分の歯科

セラミックの素材について

こんにちは。院長の中村です。

今回はセラミックの素材についてご説明致します。

 

 

歯科治療で用いられるセラミックとは、どのような素材でしょうか?

 

セラミックはお茶碗やお皿などの陶器に似た素材で、「歯科用陶材」とも呼ばれます。セラミックにもいくつかの種類がありますが、近年は「ジルコニア」というセラミックの中で最も硬く、頑丈な素材が主流になってきています。ジルコニアは天然歯と変わらない色調や透明感が再現できるほか、変色や劣化が起こらないのが特徴です。

 

 

 

セラミックと同じ白い材質では、「コンポジットレジン」や「ハイブリッドセラミック」という名前もよく聞きます。これらの素材とセラミックはどのような点が違うのかと言いますと、

 

 

 

コンポジットレジンは樹脂、いわゆる歯科用のプラスチックです。ハイブリッドセラミックはプラスチック(レジン)にセラミックを混ぜた素材ですが、実際に臨床で使っている感じではプラスチックに近いという感覚ですね。歯の色に近い素材ですが、いずれもプラスチックなので使っているうちに変色や劣化は起こります。したがって、同じ白い素材とはいえ「セラミックとは別物」なのです。

 

 

 

セラミック治療に主に使われるのは、「インレー」「クラウン」「ブリッジ」と呼ばれる詰め物や被せ物を入れる治療です。加えて、「ラミネートベニア」と呼ばれる前歯の治療にも用いられます。ラミネートベニアはいわゆる歯のつけ爪のようなもので、前歯の表面を少し削り、そこに薄いセラミックを貼り付けて歯の形や色調を整える治療法です。そのほかに、インプラントで入れる被せ物(上部構造)もセラミックが用いられます。

 

 

 

セラミックの寿命について

 

 

 

セラミックの寿命に対する考え方は3つあると考えます。まずは、セラミックが割れるなどの耐久性の問題。次に変色や歯ぐきが下がるといった審美性の問題。さらに、「セラミックを被せている歯がどのぐらいもつか」という問題の3点です。このうち、1つ目の「耐久性」については、ジルコニアの被せ物だとほぼ問題ないと言っていいと思います。

当院のジルコニア第一人者である東京医科歯科大学の三浦宏之名誉教授が、人工ダイヤモンドのジルコニアが歯の材料に良いのではと、ドイツで研究して、世界的に歯科医療介に普及したものです。現在では、硬くて審美性にも良いとして、インプラントの上部構造に最も普及しています。

 

 

審美性については

 

 

 

まず、変色についてですが、セラミックは時間が経っても変色はしないので問題ありません。しかし、セラミックの被せ物に関しては年数が経つにつれ歯ぐきが下がってくると、歯とセラミックの境目が露出して見栄えが悪くなってしまうことがあります。ただし、全ての人がそうなるかというとこれは個人差が大きく、20年、30年経っても問題ない人もいれば10年ぐらいで歯ぐきが下がってしまう人もいらっしゃいます。これには、ブラッシングのやり方や歯ぐきの性質が大きく関係しているので、自身にそういうリスクがないのかを相談しながら決めるのが良いでしょう。

 

 

 

「歯がどのくらいもつか?」というのはいかがでしょうか?

 

 

 

これはセラミックであろうがほかの素材であろうが関係なく、歯そのものの寿命がきてしまえば、結果的にその詰め物や被せ物は使えなくなります。ジルコニアは耐久性も見た目も半永久的にもつ素材ですが、それを入れている歯が悪くなってしまえば、いくら素材が良くても意味がないということです。

 

 

 

そうすると、治療後のケアやメンテナンスが重要になるわけです。

 

 

 

歯磨きやメンテナンスは「セラミックを入れたから重要」というわけではなく、セラミックに関係なく全ての人がやった方が好ましいですし、やるべきだと考えます。セラミックにしたから特別に何かをした方がいい、やるべきという話ではありません。

 

 

 

セラミックのメリットとして

 

 

 

口元の見た目を美しくすることを目的にセラミックをご希望される場合は、自分の歯と同等、またはそれ以上に綺麗にできるのがセラミック最大のメリットです。また、セラミック治療では金属を一切使用しない「メタルフリー治療」もおこなえるため、金属アレルギーの人でも安心して治療が受けられます。加えて、セラミックは汚れがつきにくいのもメリットです。

 

 

では、セラミックのデメリットは何でしょうか?

 

 

 

奥歯のむし歯治療でセラミックの詰め物(インレー)を入れる場合は、「割れやすい」というデメリットがあります。また、割れないようにするためには詰め物にある程度の厚みが必要になりますが、そうすると金属よりも歯を多く削ることになります。とくに、神経がある歯の場合はセラミックを選んだゆえに「治療後に歯がしみる」というトラブルも起こりやすいので注意が必要です。

 

 

 

硬くて丈夫と言われるジルコニアでも、奥歯の詰め物(インレー)の場合は要注意です。

 

 

 

たとえジルコニアとはいえ、その強度を保つためには一定の厚みが必要になります。さらに、詰め物(インレー)に関して付け加えると、長く使っているうちに自分の歯とジルコニアの境目に段差ができてしまうのもデメリットと言えます。これは、ジルコニアは長く使ってもすり減らないのに対して、天然歯はすり減ってしまうためです。したがって、奥歯の詰め物に関してはセラミックの物性をよく理解したうえで、慎重に素材を選んでいただきたいと思います。

 

 

 

セラミックがおすすめの方は

 

 

 

例えば、前歯が1本だけむし歯で神経を取ってしまった場合は、セラミックが最もおすすめです。セラミックであれば周囲の歯とそっくりに被せ物を仕上げることができます。また、セラミックの被せ物は色調だけでなく、歯の大きさや形も整えられるので、前歯の見た目が気になる人にはセラミックを検討していただければと思います。

 

 

 

歯科治療で使用する素材の中ではセラミック、とくにジルコニアは耐久性・審美性ともに優れていますが、割れにくくするためには歯をある程度削る必要があります。しかし、どんなに見た目を綺麗にしたくても、神経を取るセラミック治療は避けるべきです。もし、神経を取らないとセラミックにできないと言われても、諦めずに何件かカウンセリングを受けて、神経を残して治療ができる歯科医院を探してみましょう。

 

 

セラミックそのものの寿命については半永久的で、とくにジルコニアの被せ物については変色や劣化、破損などの心配もないことがわかりました。しかし、どんなにセラミックの物性が優れていても、それを入れる歯が悪くなってしまえば、結果的にセラミックは使えなくなってしまいます。したがって、治療後もケアやメンテナンスをこれまで通り継続しておこなうことが重要です。また、セラミックの詰め物(インレー)はデメリットを伴う場合もあるため、選択に際しては、よく相談のうえ治療を進めていきましょうね。

 

 

 

 

TOPへ戻る