根管治療については、早い段階で確実な治療をすることがとても重要。
できれば1度に1時間程度の時間をかけて、数回の通院で終えることが望ましいのですが、日本の保険制度のもとでは少々難しい面があります。
マイクロスコープによる精密及び再根管治療
マイクロスコープによる精密及び再根管治療
根管治療については、早い段階で確実な治療をすることがとても重要。
できれば1度に1時間程度の時間をかけて、数回の通院で終えることが望ましいのですが、日本の保険制度のもとでは少々難しい面があります。
あなたは根管治療の必要があるかもしれません。
根管治療(歯内療法)というのは、歯の根っこの部分、神経のあるところへ行う治療法です。
重症化した虫歯など、抜歯をしないための策です。
根管治療(歯内療法)が必要になるケースは、慢性期と急性期に分けられますが、
それぞれどのような症状がみられるのでしょうか?
普段は痛みを感じないものの、特定の何かを行った時などに症状が出ます。”特定の何か”というのは個人差が大きいものですが、疲れている時や風邪をひいている時、食事の時、運動の時などが代表例です。痛み方としては、鈍痛で、歯の付け根に違和感や疼きを感じる人もいます。また、舌で歯肉を押した時に違和感があったり、歯肉に穴があいて膿が出てしまうことなどもあります。同時に歯肉が腫れたり、治まったりを繰り返すことがありますので、治まったとしても早急に診てもらう必要があります。
急性期に入ると、常にズキズキとした響く痛みが生じます。歯肉の腫れを同時に感じることが多く、その痛み具合は、痛み止めがきかないほどで眠れなかったと歯科医院に駆け込む患者さまもいます。また、歯肉の腫れは上の歯に原因がある場合は目の下まで、下の歯に原因がある場合は首までと、広範囲に広がります。飲食物を飲み込むのが辛いほどのどの痛みが生じたり、熱が出ることもあるので注意が必要です。
また、このようなお悩みはございませんか?
精密根管治療によってその歯を残せる可能性があります。
根管治療(歯内療法)というのは、根管(根管とは歯の神経が入っている歯の内部のことです)内に入り込んだ細菌を綺麗に除去、消毒して、不快な痛みや腫れを根本的に解消するものです。歯の内部には、神経や血管が通っています。この歯髄(しずい)が入っている部分が「根管」と呼ばれる管です。血管を通して、歯に栄養や水分を送る役割があります。根管治療とは、重度の虫歯の治療法の1つです。虫歯菌が歯の内部の歯髄にまで深く感染すると、歯が傷んだり、時には頬が腫れることもあります。放置しても治ることはなく、悪化するだけです。歯の内部や骨が溶けてしまう前に、早急に治療が必要です。
少しでも細菌が取り、切れていなかったり、細菌が入り込む隙間があったりすると再発してしまうため、根管治療の精度は非常に重要です。
マイクロスコープとは、歯を拡大して見ることのできる顕微鏡です。
導入している歯科医院はまだ少なく、全国でも数%と言われています。
肉眼では見ることのできない歯の凹凸や根管の細部まで確認できるので、根管の細菌を除去しきるためには無くてはならない機器です。
ファイルとは根管治療に用いる針状の器具です。ニッケルチタン合金は超弾性の特徴を持っており、複雑な形状を持つ根管に高精度な処置が可能となります。
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントとは、根管に充填する薬剤の一種です。高い密閉性と殺菌効果、再石灰化効果があり、従来の薬剤よりも再発リスクを下げることが可能になります。
根本的な事実として、根尖性歯周炎の原因は細菌です。したがって、ラバーダム防湿や器具の滅菌・可能な限りのディスポーザブル(使い捨て)化を始めとする無菌的な処置が根管治療においては必須です。
ラバーダムという治療する歯以外に被せるシートを用いることで唾液を遮断、根管内への細菌の混入を防止し、また防湿効果により詰め物や被せ物の接着力を高めます。
当院では使用する器具や設備の滅菌や消毒には一切妥協致しません。
口腔内に入れる器具(ハンドピース類)の洗浄・滅菌には、ヨーロッパ規格EN13060の最高基準「クラスB」の条件を満たしたオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を使用して、徹底した滅菌対策に努めております。
ハンドピースは患者様ごとに交換しており、オートクレーブで滅菌したものを使用します。
※抜髄に当てはまるのは、1回目の根管治療(歯内療法)のみです。その歯の神経を初めて除去する際の治療のみがカウントされています。一方、感染根管処置というのは、簡単にいってしまうと、根管治療(歯内療法)のやり直しを指します。
1回目の根管治療(歯内療法)よりも、2回目以降のやり直しである再根管治療が多くなっていることが分かります。
1回目の根管治療(歯内療法)が成功していれば、当然、再根管治療は不要になります。また、2回目の再根管治療が成功していれば、感染根管処置の数はさらに減っているはずです。つまり、1回目も2回目も成功せず、3回以上繰り返し治療が行われているという現状なのです。
最終的にその歯は、抜歯の選択を余儀なくされます。
虫歯の進行具合は、「C1」~「C4」のように表します。
C1エナメル質=歯の表面のむし歯
歯の表面にあるエナメル質という組織のみにできている初期の段階です。
初期の段階では歯の表面の点状の白濁として観察されますが、患者様ご自身で見つけることは難しい場合もあります。また、時間が経つと黒っぽく変色してくる場合があります。
治療方法
比較的簡単な処置で終わります。
この段階ではまだむし歯の穴はできていませんので、前述の三つの原因を取り除いてむし歯の進行を止めることができれば削る治療は必要ありません。すなわちフッ素を用いて歯の質を強くし、表面に付着した歯垢をきれいに取り除き、糖分や炭水化物の摂取を適切にコントロールすることでむし歯の進行を止めます。実際にむし歯が止まっているかどうかは定期的なチェックを受けることで確認します。具体的なやり方は歯科スタッフが丁寧にご説明します。
C2象牙質=エナメル質のすぐ下にあり神経を守っている組織のむし歯
むし歯がエナメル質を越えて象牙質まで達した状態で、多くはむし歯の穴ができた状態です。まだ神経までは達していませんが、神経に近い部分まで進んでいる場合は、冷たいものがしみるなどの症状がでます。歯と歯の間にむし歯ができている場合は、物がよくはさまると感じることもあるかもしれません。上記のCeとは異なり、むし歯の穴の中は歯ブラシが届かないためそのままではむし歯の進行を止められません。したがって削って詰める治療が必要になります。
治療方法
むし歯の穴を埋めるためには歯科用プラスティックで詰めて治療できる方法と、削った後に歯の型をとり、詰め物(インレー)を作った後に歯科用セメントで着ける場合があります。歯科用プラスティックは歯の色に近い材料ですが、天然の歯と見分けがつかないほど審美性に優れたものがあり、個々の歯の色や形に合わせることができます。
インレーには金属や、歯の色や明るさに近いセラミック、ジルコニアなどがあります。一般にプラスティックの方がインレーよりも削る量が少なく済むので第一選択となりますが、部位によってはプラスティックで詰めることが難しいこともあり、その時はインレーを選択します。
C3歯髄=歯の神経まで達したむし歯
むし歯が神経まで達した状態です。
冷たいもの、熱いものがしみる。咬むと痛い。何もしていなくても痛みを感じる。など症状がはっきりしてくる場合が多いです。
しかし、まれにゆっくり進行した場合や、咬む力が加わらない部位だと、特に症状なく神経まで達していることもあります。
日常生活にも支障をきたしてくる段階です。早めの受診をお勧めします。
治療方法
歯の神経を取り除き、神経が入っていていた部屋(根管)を消毒した後、薬剤を詰める根管治療を行います。その後歯にかぶせ物を作ります。
かぶせ物の種類は、金属、セラミックス、ジルコニアなど、部位や患者様のかみ合わせなどを考慮した上で色々な種類からお選びいただけます。
C4むし歯がかなり進行し歯の根っこだけが残った状態
むし歯がさらに進行し、歯の頭の部分がなくなり根っこだけになった状態です。
この状態まで進行すると、歯の神経があった部分(部屋)に感染を起こして根っこの先に膿をためることもあります。
痛みを感じる程度は状態によります。歯茎に膨らみや、にきびのようなできものができることもあります。
治療方法
歯の根っこを残せる場合は、根管治療を行い上記C3のようにかぶせ物を作りますが、残すことが困難な場合は、抜歯が必要です。
抜歯後は、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどの治療を行いかみ合わせの回復を目指します。
※このうち、根の治療が必要になるのは、「C3」~「C4」の時です。
根管治療(歯内療法)というのは、根管内に入り込んだ細菌を綺麗に除去、消毒して、不快な痛みや腫れを根本的に解消するものです。歯の内部には、神経や血管が通っています。この歯髄(しずい)が入っている部分が「根管」と呼ばれる管です。血管を通して、歯に栄養や水分を送る役割があります。根管治療とは、重度の虫歯の治療法の1つです。虫歯菌が歯の内部の歯髄にまで深く感染すると、歯が傷んだり、時には頬が腫れることもあります。放置しても治ることはなく、悪化するだけです。歯の内部や骨が溶けてしまう前に、早急に治療が必要です。
そもそも現在の医療技術では、抜いた歯を復活させることはできません。インプラント、入れ歯、ブリッジなどの人工物で対応することになります(歯が抜けたまま放置するのは厳禁で、1本抜けただけでもさまざまな影響があります)。毛髪などの抜いても切っても再生するものとは根本的に異なりますから、歯は可能な限り残すべきなのです。
人間の歯はとても高性能で、形や硬さ、感覚の鋭さ、噛み心地、話しやすさ、などあらゆる優れており、これらのメリットを人工物で再現することはできません。今後どれほど技術が進歩しても天然の歯に勝つことはないでしょう。
以下に該当する場合は抜歯をする方が好ましいと言えます。
特に4番目の金銭面についてですが、「大金を費やしてでも歯を残したい」という方もいれば、例えば「歯を残すために10万円以上支払うことになるのであれば、抜いても良い」と考える方もいます。これについて、どちらかが正しいということはありません。その人の価値観によります。ただ、そもそも「自分自身がどう考えているか」が明確になっていない方も多いですし、「天然歯の大切さ」を理解していない人も少なくありませんから、やはりまずは相談することが大切です。
日本における根管治療(歯内療法)の成功率は30~50%です。つまり、5~7割は”失敗”を意味します。
次に、根管治療(歯内療法)後、どのような経過を辿っているか、つまり根管治療(歯内療法)をした歯における根尖部X線透過像があるかないか。分かりやすくいうと、治療後の根に膿ができているかどうかです。
根尖部(こんせんぶ)というのは、文字通り、歯の根の先端にある部分を指します。先端部に膿ができると、レントゲンに影として映るのです。
ヨーロッパの根管治療(歯内療法)のガイドラインの基準は、根管治療の4年後までに、根尖部X線透過像の完全な消失をもって「成功」としています。この根尖部X線透過像には、治癒途中のもの、瘢痕治癒(傷のような治り方)したもの、咬合(噛み合わせ)に起因するもの、垂直歯根歯折によるものなどがありますが、それが、全てが消失しないと成功とはみなされません。ヨーロッパにおける根管治療の”成功”というのは、それだけ厳しいものなのです。
※参考
根尖部X線透過像平均値です。
上顎の場合は、前歯で約70%、小臼歯で約60%、大臼歯で約65%に膿がみられます。
下顎の場合は、前歯で約50%、小臼歯で約55%、大臼歯で約65%となります。
また、いわゆる”親知らず”は、約70%です。
生えている箇所によって確率が変わりますが、どの症例も高い割合で確認されていることが分かります。
参考文献によると、根管治療(歯内療法)の失敗は、歯内療法における無菌的処置原則が必ずしも守られていないことにあると言及されています。無菌的処置原則とは、ラバーダムを用いた防湿処置のことです。ラバーダムとは、ゴムシートのことで、患者さまの患部以外を覆い、処置するものです。ラバーダムを使用するのとしないのでは、成績に大きく影響するとの報告もあります。
しかし、実際にラバーダムを使用している医師は非常に少なく、一般歯科医師でも5.4%、日本歯内療法学会会員でも25.4%といわれています。
もちろん、根管治療(歯内療法)のラバーダムの有効性は周知されていて、日本歯内療法学会のガイドラインでも”必須”ともされています。患者さまにとってメリットの大きいラバーダムを使用しないのは、治療のスタートラインにも立てていないと感じます。 この成功率を高めるには、しっかりとガイドラインを守り、正しく治療することが第一です。歯科医の腕や知識、実績ももちろんのことではありますが、使用するべきものを必ず使用するというのは、とても重要なことです。
事実、ヨーロッパなどの先進国では、ラバーダム防湿処置を行うのは、”当然”だと考えられています。日本においても、”当然”であることがもっと広まるべきだといえます。このように根管治療(歯内療法)の成功には、歯科医の腕のみならず、多くのことが必要であることを患者さまにもご理解いただけると幸いです。
精密機器を駆使して、治療にあたります。歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院のポリシーは、患者さまがお悩みの”痛み”をなくすこと。そして、できる限りご自身の歯を長持ちさせ、抜歯しない未来をつくることです。 多くの患者さまの悩みや不安に寄り添い、歯の寿命を延ばすことを最優先に考え、治療を進めていきます。そのためにはまず、患者さまの口腔内を正しく知ることが大切だと考えております。最新の機器を使用し、肉眼では見ることのできない深い部分まで把握し、治療に役立てます。歯周病の治療なども含め、健やかな口腔内をつくるため、患者さまの寿命を延ばすことにフォーカスしていきます。
歯科治療の技術、材料は年々進歩していて、より良い治療を行える環境はさらに整っています。しかしその一方で、根管治療(歯内療法)の成功率が低いという問題も抱えています。現在の治療法においては、”完治といえるまでには程遠い”ということの表れでもあります。患者さまの苦痛や歯の寿命を考えると非常に心苦しいところではありますが、これが、保険診療の現在の限界値といえるのかもしれません。
カウンセリングでは、患者さまの歯の現状、検査結果の解説、治療方針の他、患者さま側の不安や悩み、症状についてのお話も丁寧に伺います。歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院は患者さまの口腔内を正しく診断するために、高精度の最新機器を取り揃えております。世界最高峰ともいえるマイクロスコープを使用するなど、高いレベルの治療が受けられます。また、衛生管理に努め、常に新品のファイルを使用するなどの配慮を行っています。
マイクロスコープを通して見える世界は、肉眼の24倍になります。これにより、精度の高い治療が可能です。歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院は、導入している歯科医院は限られていますし、熟練が要ります。それだけの性能があります。
ニッケルチタンファイルとは、根管治療(歯内療法)で使用する器具のことです。従来のファイルはステンレスでつくられたものが主流でしたが、歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院では、ニッケルチタンでつくられたものを採用しています。その違いは以下の通りです。ニッケルチタン製のものは柔軟性があるため、曲がりくねった根管にも上手くフィットします。根管内に負担をかけることなく治療できるため、歯にやさしい器具といえます。一方、ステンレス製のものは固く、根管内にレッジと呼ばれる傷ができやすいというデメリットがあります。当院は、患者さまの根管内に合わせ、手動と電動とを使い分けています。こうすることにより、根管内はもちろんのこと、患者さまへの負担も軽減することができます。また、当院で使用するファイルは全て”使い捨て”です。全て新品のものを使用しています。滅菌したとしても、他の患者さまに使用した時のタンパク質が残留している可能性があること、1度使用したものは劣化していて途中で折れるなどの事故につながりやすいことなどが理由として挙げられます。
マイクロスコープを使用すれば、肉眼の最大24倍にまで拡大して患部を見ることが可能です。また、暗い根管内を明るく見ることができるのも、治療精度があがる理由の1つです。しかし、問題点もゼロではありません。歯科医は、鏡に反射した歯を見て治療を行っています。鏡に反射した自分の姿を見て、左右が一瞬分からなくなってしまうことがあると思いますが、歯科医は反射を踏まえて手を動かしています。実際に見ているときと同じ感覚で治療するには、経験と練習が必要です。そのように鍛錬した歯科医でも、鏡がくもったり、水がついていたりすると見えにくく、治療がしにくくなります。歯科助手はそれを見て、鏡を拭いたり、風をかけたりして対応しています。しかし、イーロプラスミラーというものを使用すると、鏡がくもらず、水もつかない状態で治療が行うことができます。イーロプラスミラーから、自動で風が出ているためです。クリアな視界を実現するだけではなく、治療時間の短縮が可能となるため、患者さまの負担を軽減することにも繋がります。導入している歯科医院はまだ少ないですが、歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院では”必需品”となっています。
根管治療(歯内療法)が必要になる症例は、「根尖病変」といいます。 歯根の中で増殖してしまった細菌が原因で引き起こされる病気です。つまり、その細菌を限りなく少なくすることが、治療の目的となります。また、治療の最後には、「根管充填」(こんかんじゅうてん)と呼ばれる処置をして、歯根を密閉封鎖してしまうのです。こうすることにより、細菌の入り込む隙を与えないようにすることが可能です。しかし、この方法にも「敵」がいます。その「敵」というのは、実は、”あなたの唾液”なのです。唾液の中にはたくさんの細菌が存在しています。せっかく歯根の中の細菌を減少させようとしても、根管治療中に唾液が入り込んでしまえば、その中に含まれた細菌が悪さをします。綺麗にしても、これでは意味がないのです。
一時的に細菌の減少にはなるものの、再発のリスクが非常に高くなります。そこで使用するのが”ラバーダム”です。歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院の根管治療(歯内療法)は、このラバーダムと呼ばれるゴムのシートを使い、患部以外を覆います。欧米の先進国のみならず、東南アジアでも使用されているもので、もはや根管治療時の”常識”となっています。日本の歯科医療においては、ラバーダムを使用しない医院も多くあります。根管治療(歯内療法)をする際は必ず、ラバーダムを使用する歯科医院を選ぶことをおすすめ致します。ラバーダムには、唾液の侵入を防ぐこと以外にも、大きな役割があります。根管治療(歯内療法)の際には、歯内に対して、多くの薬剤を使用する必要があります。大量の薬剤を使用することこそが、根管治療(歯内療法)の成功に繋がります。大量の薬剤を使用すると当然歯内から薬剤が溢れ出てきます。ラバーダムを使用していれば、その余った薬剤が喉に流れず、歯科助手がバキュームを使用して吸引できます。今度は歯内がしっかり消毒されず、再発の大きなリスクを背負うことになります。
歯の神経を抜くことを”抜髄”(ばつずい)といいます。 歯医者さんに行って、「神経をとりましょう」といわれたら、抜髄をするということです。
重度の虫歯にかかっている状態なので、そのような処置がとられるわけですが、患者さまの多くは、自身の虫歯の状態、根管治療(歯内療法)の方法などについて正しく理解していないままに治療を行っています。歯科医に「言われるがまま」になってしまっているのが、実態です。
全ての根管治療(歯内療法)は、”抜髄よりスタートします。
この治療が正しく行われないと、何度も症状や細菌感染が繰り返され、歯の寿命を縮めることになってしまいます。将来的に歯を残すためにも、非常に重要な治療です。実は、根管治療(歯内療法)の成功率が低いのは、”抜髄”が正しく行われていないことが原因になっています。
歯というのは”一生もの”です。
再度生えてくることはありませんので、自身の歯の現状についてはもっと深く把握しておくべきです。歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院はカウンセリングの時間を設け、患者さまにこの治療に至った経緯や原因、今後するべき治療について詳しく説明を行っています。
また、患者さま側の不安やお悩みについて耳を傾け、お答えさせていただきます。
歯の神経のある器官のことを”歯髄”(しずい)といいます。
神経線維と血管から成り立ち、歯に栄養分や水分などを送り、健やかに保ちます。
抜髄とは、歯痛の原因「歯髄炎」を治療することです
虫歯菌が歯髄にまで達している時や、噛み合わせの悪い被せ物、知覚過敏などの原因により、歯髄に炎症が起こることがあります。これを”歯髄炎”(しずいえん)といいます。歯に痛みが出る原因の1つです。
1度歯髄炎にかかると、元の健やかな歯髄に治ることはありません。症状自体は、痛み止めの服用などで一時的に治まることもありますが、自然治癒はしません。
歯髄炎にかかったら、局所麻酔をして、炎症のある歯の神経を取り除く必要があります。これが、”抜髄”です。
尚、歯髄炎を放置すると、やがて壊死し、腐敗します。この場合は、感染根管治療と呼ばれる処置が必要になります。できるだけ早急に対処することが大切です。
1
局所麻酔をする
一般的に「局所麻酔」を用いて治療を開始します。
強い痛みが出ているなど、麻酔が効きにくい場合は「鎮静剤」を使って歯髄を弱らせ、後日改めて抜髄することもあります。
2
治療前の準備
ラバーバム
ラバーダムで患部以外を覆い、根管内に細菌の含まれた唾液が入らないようにします。
衛生管理が重要となる抜髄では、ラバーダムの使用がとても重要です。細菌が根管内に入り込むと、そこから繁殖して再治療を繰り返すことになります。 根管治療が1度で成功すれば良いですが、治療と細菌の繁殖とを繰り返し、歯を弱らせてしまうこともあります。
成功のカギを握るのは、無菌的処置原則を守れるかどうかです。徹底的な衛生管理に努めないことには、抜髄の成功はありません。
歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院は、ラバーダムシートや器具、全て滅菌したものを使用しています。
3
根管内の清掃と殺菌
感染した歯髄を取り除き、ファイルと呼ばれる細長い器具で根管内を清掃します。
複雑な根管内を綺麗に清掃したら、薬品を使用して洗浄し、殺菌して完了とします。
当院の根管治療は、”自由診療”として選択できる設備も導入しています。より高精度の治療をお求めの患者さまは是非ご相談ください。
4
根管充填
詰め物には、ペーストになっているMTAセメント、ガッタパーチャを用います。根管に隙間なく充填することで、細菌の侵入を許しません。
MTAセメントは、他の先進国において、歯根の治療に効果的とされています。しかし、現状の日本の医療では、高価であるために”自由診療”となっています。保険が適用されない治療法ではありますが、歯の寿命を確実に延ばすことが可能です。
5
歯冠修復処置
根管治療が全て完了したら、被せ物をして終わります。
感染した歯髄を放置すると、やがて腐敗してしまいます。
腐敗した時に行えるのが、「感染根管治療」です。
「歯髄炎」の痛みを我慢していると、ある日突然症状がなくなることがあります。
これは、神経細胞が壊死してしまったために起こります。痛みを感じられなくなるだけで、治ったわけではありません。
感染はこの間もどんどん広がり、さらに悪化します。
骨が溶け、膿が溜まり、痛みと腫れが出る
感染根管にかかると、歯内に細菌が侵入し、歯を支えている土台となる骨までも溶かし始めます。また、溶かす際に膿が出て痛みに変わります。これを”根尖性歯周炎”(こんせんせいししゅうえん)といいます。
炎症がさらに広がると、歯根膜炎、根尖病巣、歯根嚢胞になることもあるなど、歯を失うリスクはどんどん高くなります。
壊死して腐敗した歯髄とその周りの歯根を綺麗に除去しないことには、溜まった膿もなくならず、痛みも強く出ます。この清掃のことを”感染根管治療”といいます。綺麗に清掃が行き届けば、溜まった膿は自然になくなり、痛みもおさまります。
症状が出ることもあれば、出ないこともあります。 例えば、根尖部に膿があるにも関わらず、全く痛みが生じないということもあります。これを、”慢性期”といいます。感染源を除去する際にはじめて症状が出ることもあります。
悪いものを排除した時に身体が治そうとする力を発揮するためです。
一時的にズキズキ・ズンズン・ドクドクといった”急性期”の痛みが出ます。
症状が出ることもあれば、出ないこともあります。 例えば、根尖部に膿があるにも関わらず、全く痛みが生じないということもあります。これを、”慢性期”といいます。感染源を除去する際にはじめて症状が出ることもあります。
悪いものを排除した時に身体が治そうとする力を発揮するためです。
一時的にズキズキ・ズンズン・ドクドクといった”急性期”の痛みが出ます。
普段、普通に生活している分には症状を感じません。 ただ、自分の免疫力が落ちている時などに少々痛みが出るケースもあります。
急性期は、普段何もしていなくとも、ズキズキ・ドクドクと強く痛みが出ます。
1
局所麻酔をする
一般的に局所麻酔を使用しますが、激しい痛みがある場合は、抗生物質と鎮痛剤を併用して、まずは症状を緩和させることもあります。
2
治療前の準備
唾液が根管内に入り込むと、再感染のリスクが高まります。
ラバーダムを使用して、障壁をつくり、細菌の感染を予防します。
3
根管内の清掃と殺菌
ファイルと呼ばれる細長い棒状のものを使用して清掃します。
清掃後、薬品を大量に使用し、根管内を洗い流して、殺菌を行います。
4
根管充填
充填物には、ガッタパーチャとMTAセメントを使用します。
根尖が著しく崩れていて規格化されたものが使用できない症例では、MTAセメントのみを充填することもあります。
5
歯冠修復処置
最後に被せ物の治療をします。
歯肉が腫れている場合 歯肉が腫れている時は、先に歯肉を切開して膿を取り除く治療を行うこともあります。
再根管治療というのは、文字通り、今一度根管治療を行うことです。つまり、1度治療している歯の再発を意味します。
歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院には、他院で根管治療が成功せず、再度治療が必要になる症例の患者さまも多く来院しています。
その原因とは?
1
局所麻酔をする
通常は「局所麻酔」を用います。
痛みが強く、効きにくい場合は、痛みを緩和させてからの治療をすることもあります。
2
治療前の準備
ラバーダムを装着し、根管内に細菌の含まれる唾液が侵入しないようにします。
3
充填剤を除去
前回治療時に詰めたガッタパーチャやセメントを取り除きます。
この周囲にはバイオフィルムがつくられ、黒く汚れが溜まっている状態です。
専用の細い超音波チップを使って、充填物と汚れを綺麗に除去していきます。
1回目の根管治療よりも、2回目以降の再根管治療の方が成功しにくいといわれています。これは、バイオフィルムに覆われた充填物を完全に除去するのが難しいためです。
根管内は細く、曲がりくねっていて非常に複雑です。また、その形は患者さまのその歯ごとに異なるものであるため、歯科医のスキルを要します。また、症状の度合いや細菌のタイプも異なるため、患者さま1人1人に合わせたオーダーメイドの治療が必要になります。
部分もしっかり”見る”精密根管治療
歯の内部というのは、とても暗く、狭く、肉眼ではとても見えにくいものです。そこで、マイクロスコープを使用し、24倍に拡大して治療を行います。マイクロスコープは根管治療(歯内療法)になくてはならないものです。不用意に歯を削ることなく、原因を突き止め、高精度の根管治療(歯内療法)を可能にします。
根管治療(歯内療法)に至る原因は、主に細菌感染です。
そのため、治療中に唾液が入り込んだり、治療器具を介して細菌が入り込まないように最新の注意をはらう必要があります。
ラバーダムも同じで、患部以外を隠すことにより、他の健康な歯への細菌感染が起こらないように配慮したものです。
歯を残すこと(精密根管治療)を専門に行う当院は、ラバーダムの処置後、歯の消毒を行い、根管治療(歯内療法)に移ります。使用するファイルは、その都度新品のものを使用するなど、衛生面に配慮しています。また、使い捨てにできない器具に関しては、「クラスBオートクレーブ」を使用しています。