静脈内鎮静法による歯科治療
- 2023年5月3日
- 歯科
石神井公園駅前四季デンタルオフィス 歯科恐怖症や嘔吐反射が強い人へ 静脈内鎮静法による歯科治療
歯科恐怖症や嘔吐反射が強い人へ
虫歯(う蝕)
歯科治療に強い恐怖心や苦手意識があり、虫歯による痛みなど口の中に何か問題があっても歯科医院に行くのを躊躇している人もいるかもしれない。「静脈内鎮静法を用いれば、歯科が苦手な人でもリラックスした状態で治療を受けられると期待できます」と話すのが、「石神井公園駅前四季デンタルオフィス」で歯科麻酔を担当している深山治久先生です。東京医科歯科大学名誉教授でもあり、歯科治療に関するストレスをできるだけ軽減するための方法を長年、研究し実践してきたという深山先生は、静脈内鎮静法は歯科恐怖症の人に加えて、高血圧症や糖尿病などの基礎疾患を持つ人や、インプラント治療や親知らずの抜歯などの際にもとても有用だと言う。そこで深山名誉教授に、静脈内鎮静法について詳しくお話していただきました。
うたた寝している間に歯科治療を完了し得る静脈内鎮静法。受ける際は麻酔を専門とする歯科医師のもとで
●歯科治療で痛みを少なくするには、どのような方法がありますか?
石神井公園駅前四季デンタルオフィス 歯科恐怖症の人のために、脈拍数の変化などを見ながら治療が可能
▲歯科恐怖症の人のために、脈拍数の変化などを見ながら治療が可能です。
一般的な麻酔は、局所麻酔で、麻酔の注射針を刺す痛みを軽減するための表面麻酔と、治療による歯や歯肉の痛みを和らげるための注射麻酔の2つが主です。しかし、それ以前に怖くて歯科医院に来ることさえできなかったり、治療のための椅子に座ることすら恐怖を覚える、いわゆる歯科恐怖症の方も少なくありません。また、局所麻酔薬の副作用や、歯科治療を受ける際の緊張から血圧が上昇したり、脈拍数が増えたり、不整脈になったり、過呼吸になったりするリスクもあり得ます。歯科恐怖症の方が楽に治療を受けられるようにしたり、血圧の上昇などを防ぎながら治療ができるようにしたりするための方法が静脈内鎮静法です。
●静脈内鎮静法とは、どのようなものですか?
石神井公園駅前四季デンタルオフィス 静脈内鎮静法について話す深山名誉教授
▲静脈内鎮静法について話す深山先生
麻酔薬や精神安定剤を点滴を通して体の中に入れ、患者さんをとてもリラックスした状態にするための方法で、その間に歯科治療を行います。静脈内鎮静法では、患者さんは完全に眠っているのではなく、興奮する神経のコントロールを図ることで、うたた寝のような状態にすることをめざします。鎮静中の患者さんは、口を開けてくださいなどの指示や問いかけには反応しますが、鎮静から覚めた後は治療中のことをほとんど覚えていません。そのため、歯科が苦手な患者さんでも恐怖などをほとんど感じることなく治療を受けられると期待できます。
●どのような人に適していますか?
石神井公園駅前四季デンタルオフィス 基礎疾患がある人の安全な治療のためにも活用しているという
▲基礎疾患がある人の安全な治療のためにも活用しているという
歯科治療に強い苦手意識や恐怖心などがあるいわゆる歯科恐怖症の方や、口の中に器具などが入ると吐き気を催してしまう、嘔吐反射の強い方。知的障害やてんかん、自閉症スペクトラム障害、脳性麻痺といった障害のある方などに適しています。また、高血圧症や糖尿病などの基礎疾患がある方も、静脈内鎮静法によって局所麻酔や緊張などによる血圧や血糖値の上昇を防げますのでより安全に、安心して歯科治療をお受けいただけます。さらに、インプラント手術や骨に埋まっている親知らずの抜歯などで治療が長時間になったり、侵襲が若干強かったりする場合なども、静脈内鎮静法を用いれば、苦痛などをほとんど感じずに治療を終えられると期待できます。
●静脈内鎮静法を受ける前後で、注意することはありますか?
石神井公園駅前四季デンタルオフィス 治療前の食事制限や、年齢などの制限もあるため、注意が必要
▲治療前の食事制限や、年齢などの制限もあるため、注意が必要
鎮静中に吐いてしまうリスクがあります。そうなると窒息を起こす恐れがあり生命に重大な危機を及ぼしますので、静脈内鎮静法をする前には飲食の制限があります。水分の摂取は、治療が始まる2時間前まで。食事は、治療開始の4時間前までに済ませてください。さらに、治療終了後は鎮静から完全に回復するまで院内で休んでいただくほか、その後も眠気が残ることがありますから、当日は自動車の運転は避け、自宅で静かに過ごしていただきます。通院の際にも、できれば付き添いの人がいた方が良いでしょう。また、静脈内鎮静法は基本的に希望すれば受けることができますが、小さなお子さんや80歳以上の高齢者、妊娠をしている方にはできません。
●静脈内鎮静法をする際に先生が気をつけていることはありますか?
石神井公園駅前四季デンタルオフィス 患者に寄り添い、診療することを心がけています。
▲患者に寄り添い、診療することを心がけています。
患者さんから目を離さず、常にそばにいることです。静脈内鎮静をしている最中は、常に患者さんの血圧や心拍数、心電図、動脈血酸素飽和度、体温などをチェックして、何か問題が起こったらすぐに対処することが必要です。また、血圧などを測定するモニターは機械ですから、動かなくなる可能性は否定できません。そのようなときに患者さんの状態を安全に保つためにも、常にそばにいることは大切です。さらに、静脈内鎮静法を行う前には医療面接で、患者さんから口の中のことだけでなく全身のことについても詳しく話を聞いて、必要ならかかりつけの先生にも問い合わせをするなど、リスクをできるだけゼロに近づけられるよう心がけています。
深山名誉教授からのメッセージ
深山 治久名誉教授
静脈内鎮静法は、いわゆる歯科恐怖症の方や嘔吐反射が強い方、糖尿病や高血圧症などの全身疾患がある方がリラックスして歯科治療を受けられると期待できる方法です。静脈内鎮静法は基本的に安全性の高い方法ですが、一方でリスクがゼロとは言いきれませんので、麻酔を専門とする歯科医師が施術をすることと、装置などによるモニターをしながら行うことが大切です。歯科医院や歯科麻酔の学会のホームページなども確認して、静脈内鎮静法を受ける歯科医院を選ぶようにしましょう。当院での静脈内鎮静法は、私が責任を持って行いますので、希望する方はお問い合わせください。
石神井公園駅前四季デンタルオフィスへ。