静脈内鎮静法の注意点
- 2023年10月22日
- 歯科
こんにちは。院長の中村です。
安心、安全な歯科治療である静脈内鎮静法を用いた歯科治療法 歯を削る痛みや振動、注射針など尖った器具で不快な体験を持ち、歯科治療に 強いストレスを感じる患者さんに対して負担を軽減しながら歯科治療を促進する一手段として、点滴を介して不安を和らげる薬剤を投与する「静脈内鎮静法」という方法があります。この方法は歯科麻酔専門医、指導医のもと、事前診察でチェックしていきます。
治療器具が口内あるいは視野に入るだけで吐き気を催す
治療行為や器具に対して不安や恐怖心が強い
歯科治療を契機に容態が悪化する恐れがある疾患を有する
この方法を用いることで緊張を緩和した状態で治療を受けることができ、場合によっては受診回数を減らすことも可能です。
歯科恐怖症、嘔吐反射、インプラント治療時の静脈内鎮静法についていくつかの注意点についてご説明致します。
・静脈内鎮静法の実施により、薬剤による影響や全身を引き起こすことがあります。持病のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
・全身麻酔により、吐き気や嘔吐、肺炎、アナフィラキシーショック、悪性高熱症などを発症することがあります。また、誤嚥性肺炎を起こすことがあるため、治療前日24時以降は絶食いただいています。
・そのほか、麻酔薬の影響ではなく緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血により、悪心、吐き気、手足の震え・痺れを発症することがあります。
・麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
・アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。
「日本歯科麻酔学会歯科麻酔認定医」について
「一般社団法人 日本歯科麻酔学会」は、歯科麻酔学に関する基本的な知識と技能を有すると判断した歯科医師または医師に対して、「日本歯科麻酔学会歯科麻酔認定医」の資格を与えています。
○「日本歯科麻酔学会歯科麻酔認定医」資格取得の条件
・日本国歯科医師または医師の免許証を有している。
・学会が認める研修カリキュラムに従い、学会が認める施設において2年以上にわたり歯科麻酔の研修をしている。
・歯科麻酔学指導施設の所属長である歯科麻酔指導医により、認定医の申請が認められている。
・申請の時点で継続して2年以上学会会員である。
・歯科麻酔に関連する学術論文を日本歯科麻酔学会雑誌もしくは Anesthesia Progress に発表している。
など
○「日本歯科麻酔学会歯科麻酔認定医」資格保持の条件
・5年ごとに認定の更新を行なう。
・所定の申請書類を認定医審査委員会に提出する。
・認定医審査委員会の議を経て、理事会で認定が更新される。
など
詳しくは、「一般社団法人 日本歯科麻酔学会認定医 制度規則 」をご覧ください。