歯周病の大切なお話。必見です。
こんにちは。院長の中村です。
今回は歯周病のわかり易くてとっても大切なお話を致しますね。
日本人のオーラルケア,まだまだ甘いということな
んですね.
歯周病とう蝕のバイオロジーのお話しです。
皆さんが歯垢,プラーク,バイオフィルムって呼ぶ菌塊は 2 つに分かれているのはご存知ですか?
縁上プラークと縁下プラークはまったく異なる細菌社会なのです。縁上プラークに棲んでいるのは,う蝕原因菌です。縁下プラークは歯周病をひき起こします.縁上プラークは好気性菌,酸素が大好きです。そして、代謝物として,酸を出します.ところが縁下プラークに住む嫌気性菌は酸は出しませんし、酸素が大嫌いなんです。ですから,嫌気性菌,つまり縁下プラークの菌が、ちょっと様子を覗いてみようかなぁとて、縁上へ行くことはありません。酸素嫌いなのですから。
それから,縁上プラークは弱酸性.酸性なのです。
なぜかと言うと,棲んでる菌が酸を出しますからね。
どんどんどんどん酸を出して,酸性になっていくん
ですよ。ところが,縁下プラークはアルカリ性なのです。水風呂と熱湯温泉位,湯加減が違うみたいなものです。
さらに食べるものも違うんです.縁上プラークは発酵性糖質とよばれる,お砂糖,炭水化物,こういうものを食べますし、縁下プラークはそんなものは食べません。肉食なのです。われわれの歯周組織から出てきたタンパク質を分解して,アミノ酸にして食べる。つまりまったく違うのですよ。ですから、酸性が好きな乳酸菌がアルカリ性の歯周ポケットの中へ入っていって,歯周病原細菌をやっつけるっていう話は?私には信じられないようなお話なのです。
栄養共生.共に生きる.どうやって共に生きるのかについて説明します。菌も生き物ですから、いろんな食べ物を食べて,排せつ物を出します.これは代謝物質と呼ばれます。バイオフィルムの菌のすごいところはですね,他の菌の代謝物質を栄養とするんです.A君 という菌が出す代謝物質は,B君という菌にとっては栄養、B君という菌が出す代謝物質は、C 君という菌には栄養なのです。
ということで,しっかりとした隣三軒両隣の関係を作るのですよ。代謝物質によって,相互扶助ですから、いったん菌叢というのが出来ちゃうと,お互い助け合う仲間ですから,外から菌がやってきても容易には入れてくれないということが分かっています。この代謝物質による栄養共生,私の作った栄あげるよ。ありがとう。みたいな感じで,病原性が高められていくわけなのです。
それが本当に分厚くて硬くて、そしてバイオフィルムから菌がどんどん出てきてしまいます.感染をさらに拡大しようという戦略なのですよね。代謝物質による栄養共生というのは,本当に大きな意味があるのです。
バイオフィルム細菌というのは,栄養共生によって時間と共にだんだんと病原性を高めています。ですから,定期的に石神井公園駅前四季デンタルオフィスに通って、プラークを全部取ってもらう。この意味合いあるのですよ。プラークが古くなればなるほど,病原性が高くなってしまいますから,定期的に,年に 4 回くらいはきれいに取ることが大事なんです。一般にプラークの病原性がピークになるのは,縁上プラークは,1 週間,2 週間ですが,縁下プラークは 3 月とか言われています。ですから,3 月か 4 月に 1 回,縁下プラークを全部取ることで、かなり違ってきます。 栄養共生で,だんだんだんだんと病原性が高まって、ついに、歯茎に炎症が起こってしまう。健康な歯茎は,いくらポケットプローブを入れても,出血しません。それはなぜかと言うと,内縁表皮がしっかりと歯茎をカバーしてますから、出血しないのですよ。ところが,ここに,じわじわじわじわと、栄養共生で病原性を高めたプラークがいるとですね、やがては、内縁上皮に炎症が起こります。炎症が起こった結果、上皮がはがれるのですよ。その結果、このポケットの内面に、潰瘍面が出来るわけなのですね。
患者様が「先生~。歯を磨くと血が出たので、しばらく歯磨きやめてました」なんてケース、よくお聞きするのですが,患者様は、単に外縁上皮歯ブラシで傷つけて血が出たと思っているのです。
でも,そうじゃないのですよ。外縁上皮じゃなくて、この内側,ポケットの中に溜まっている血を、歯ブラシで押して出したんです.それにどんな意味があるのかって言うと,ポケットの中に,血が溜まっていると、マイクロバイアルシフトが起こるんです。なぜでしょうか?
この BOP プラスっていう状態は、まさにこのマイクロバイアルシフトが起こっている,起こりつつある。もう起こった。という状態なのです。
理由は鉄.鉄は歯周病菌の必須栄養素です。鉄がないと,
レッドコンプレックスと呼ばれる 3 つの菌,充分に増殖出来ません。仮に増殖できても、とても弱っちくて、とても歯周病なんか起こせないんです。この状態の Pg 菌なんか全然怖くないのです。
ところが,血液中には赤血球ヘモグロビンがあって、そこにはヘミン鉄,あるいはヘム鉄って呼びますけども,鉄がたっぷりある。もうこれで大体、お分かりになっていただけると思いますが、出血がないから Pg 菌とか他の歯周病菌もとても元気がない。なぜかと言うと,出血がないからヘミン鉄がない。おまけにこういう肉食系の菌にとって、血清タンパクっていうのは,最高のごちそうなのですよ。血清タンパクを食べて、どんどんどんどん増殖するのですが、この状態では増殖できず全然怖いことありません。Pg 菌がいても、この状態をずっと続けられれば、何も怖いことないのですよ。
ところが、ある日ついに出血するようになります。鉄分も良質なタンパク質も,たっぷりと歯周病菌に与えられて,歯周病菌はけた外れに増殖します。
どんな感じに変わっていくのか、ちょっと危険とかいうだけの話じゃなくて、結局はバイオフィルムを囲む環境、発酵性糖質が与えられるのか、与えられないのかで、虫歯のリスクは変わってくるっていうことなのですよ。
まとめ
石神井公園駅前四季デンタルオフィスで定期的にバイオフイルムをはがすクリーニングの定期検診を受ける大切さ。わかっていただけましたか?
是非お待ちしております。