心疾患をお持ちの患者様のお口の管理
- 2024年9月18日
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こんにちは。院長の中村です。
今回は、
心疾患をお持ちの患者様のお口の管理についてお話し致しますね。
①心臓の病気
②口腔衛生管理
①心臓の病気
とくに心臓弁膜症や先天性心疾患の患者様は口の管理にも注意しなければなりません。勿論、心臓に病気のない方にも日々口の管理には留意していただき、末長く健康でいていただきたいと考えています。ただ、全身的に重篤になるリスクがだいぶ異なってきます。 歯石除去などで出血を起こすと口の中の細菌は毛細血管を通して体全体の血流にのります(菌血症)。特に心臓の内腔に異常ある方で血液の流れが通常と異なる場合には循環自体は保たれていても心臓の弁、内膜に細菌が付着し易く、感染性心内膜炎を起こしやすくなります。
感染性心内膜炎は発症すると重篤な症状になる傾向がありますので予防できるのであればその努力は最大限にすべきだと考えています。
以下に感染性心内膜炎のリスクカードについて口の中のことについて多く書かれています。(参考に。)
感染性心内膜炎(心臓の中の弁や、内膜に細菌などがつき、高熱や心不全、脳梗塞、脳出血などを起こす病気)を起こしやすい心臓病があります。そこで、
1、歯を抜いたり、歯槽膿漏の切開などをしたりする場合には適切な予防が必要となります。必ず、主治医の歯科医にそのことを伝えて、適切な予防処置を受けてください。
2、歯槽膿漏や歯の根まで進んでしまった虫歯などを放置しておくと感染性心内膜炎を引き起こしやすくなります。定期的に歯科医を受診して口腔内を診察してもらいましょう。
3、口腔内を清潔に保つために、歯ブラシや歯ぐきのケアを怠らないようにし、正しく歯科医の指導を受けてください。
4、感染性心内膜炎を引き起こす可能性が示唆されている手技や手術があります。手技や手術を受ける前に実施医に感染性心内膜炎になりやすいことを伝えてください。
5、高熱が出た場合、その熱の原因が特定出来ない場合や、すみやかに解熱しない場合には安易に抗菌薬を内服してはいけません。その場合には循環器科の主治医に相談してください
感染性心内膜炎の高リスクとなる疾患として
人工弁、生体弁、心内膜炎の既往、チアノーゼを起こす先天性心疾患
リスクとなる歯科治療は
抜歯、インプラント、出血の多い歯石除去、感染・出血の多い根の治療等々です。
感染性心内膜炎の予防に必要な処置として
術前の抗菌薬投与(歯科治療を行う場合にはその時に抗菌薬の血中濃度が上昇している必要があります)
(参考文献:感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン)
2、口腔衛生管理
リスクカードの2にも記載がありますが、歯槽膿漏(歯周炎)や根まで進んでしまった歯は感染の原因となります。口の中の病気は口の中だけの感染にとどまるわけではなく全身に細菌が波及し、感染しやすい方の場合には体全体に大きく影響します。感染の原因をいつも抱えるのだはなく、口の中の状態を良くするために口腔衛生管理をずっと続けていくことがどのような状態であっても重要になると思います。