前歯を失う原因と治療法
- 2024年7月6日
- 歯科
こんにちは。院長の中村です。
今回は、前歯をテーマに失う原因、治療法についてご説明致しますね。
まずは、前歯を失う原因についてをお話し致します。
前歯を失う原因にはざっくり大きく分けて3つあります。
まず1つ目には、重度のむし歯です。通常のむし歯程度では問題はないのですが、むし歯の治療をせず放置してしまうと病原菌が歯の根元まで至り、その結果抜歯することになってしまいます。
2つ目は、歯周病です。歯周病は、歯周病原菌といった細菌によって歯茎が赤く腫れたり、歯が抜け落ちたりしてしまう病気のことをいいます。
3つ目は、事故や強い力が加わるなどの外傷です。前歯は1番前にあるので、ほかの歯と比べても外傷によって失うリスクが高くなります。
そして、前歯を失ったままにしておくリスクとは、
前歯を失ったままにしておくリスクはいくつかあります。まずは見た目です。前歯は人から1番見える歯です。会話や食事などで不意に見えてしまうことが多く見た目が悪く見えてしまいます。前歯がないことで人前に出ることがコンプレックスとなってしまう場合があるでしょう。
次にあるリスクは、食事がしにくくなることです。前歯がないことで食事の種類によっては食べづらいものがでてきます。
その結果栄養が偏り、生活習慣病を引き起こす可能性があります。加えて、前歯がないことでその両側の歯が動くようになり、噛み合わせが悪くなるでしょう。噛む力も弱くなり、脳への刺激が弱くなる可能性があります。すると、認知症になるリスクが高まります。さらに、前歯がないことで発音がしづらくなってしまい、コミュニケーションに支障が出てくることもあります。
前歯を失った場合の治療方法について
前歯を失った場合の治療方法は3つあります。
●1つ目はブリッジです。ブリッジは両側の歯がまだ残っていた場合に実施できる治療法です。前歯の両側にある歯を削り、土台にします。そこに数本つながった被せ物を取り付けることで、欠損した歯を補うことが可能です。一方で、ブリッジの治療を実施するためには両側の歯が健康で丈夫であることが大事です。
土台となった歯には通常より噛む力が加わるため、万が一の場合、土台部分の歯も悪くなって抜歯に至る場合があります。
●2つ目は入れ歯です。入れ歯はほかの残っている歯にバネをかける治療法です。ブリッジのように歯を削る必要がないことがポイントです。しかし、金属がお口のなかにあることで、違和感が大きく噛み心地も良くありません。バネの部分が目立ってしまうこともあり、見た目を損なうことになります。
ほかにも、歯の根がないため、噛む刺激が顎に伝わらず、顎の骨が徐々に痩せてしまいます。その結果、顎の皮膚が弛んだ印象になり老けた印象になります。
●3つ目はインプラントです。インプラントは顎の骨にインプラント体と呼ばれる金属を埋め込み、そこに人工歯を装着する治療です。
金属はチタン製で、骨との相性がいい素材です。チタンと骨が馴染むように設計されており、ほかの歯と同じような構造を再現することができます。そのため、ブリッジや入れ歯のようなデメリットがなく、元の歯のようにしっかりと噛むことができます。一方で、インプラントのデメリットは治療期間が長いことと治療費が高額になることです。
◎前歯の部分入れ歯のメリット・デメリットについて
前歯を部分入れ歯にするメリットについて
まずは見た目を維持することができます。前歯は顔の印象を変えるのに大きな影響があります。部分入れ歯により、自然な見た目を維持することが可能です。
ほかにも、部分入れ歯はブリッジやインプラントに比べて簡単に修理ができます。万が一、破損した場合でも即日修理することが可能です。加えて、部分入れ歯は取り外しができることもメリットです。取り外しができることで毎日の手入れが簡単にできます。
そして、部分入れ歯は、ほかの治療法と比べて費用を抑えることができます。治療の際に費用に不安がある場合は、部分入れ歯にするのがいいでしょう。
前歯を部分入れ歯にするデメリットについて
お口のなかに人工物を入れることになるので、どうしても違和感が出てしまいます。日常生活を送るなかで痛みを伴う場合もあるでしょう。部分入れ歯を使用するには慣れが必要になります。加えて、部分入れ歯は金属製の留め具を使用するため、見た目を損なうことになります。
ほかにも、長期間使用すると顎の形状の変化などにより微妙なずれが生じるでしょう。そのため定期的にメンテナンスを行う必要があります。
前歯の部分入れ歯の治療方法について
まず型をとり、模型を作成します。失った前部の部分にプラスチックとロウでできた咬合床を製作します。次に噛み合わせを決めるために失った部分に咬合床を取り付け、ロウを加工し噛む位置を調整しています。その後、自然な噛み合わせにするために器械に歯の模型と咬合床を設置し入れ歯をつくります。
できあがった入れ歯を装着する前に調整を行い、実際に装着します。初めはどうしても違和感があるので、少しづつ慣らしていき、定期的にメンテナンスを行います。
治療期間は
入れ歯治療は型取りをして噛み合わせを確認するのみなので約1〜2週間となります。抜歯が伴う場合は、約3〜6週間かかるでしょう。抜歯をすると傷口が治るまで約4ヵ月かかります。その間に入れ歯の形を整えていきます。
抜歯をした場合は仮歯を付けておくことができるため、入れ歯がない期間も不便はないでしょう。
前歯の部分入れ歯の治療が向いていないケースとは、
前歯の部分入れ歯は、一部の歯が失われた場合に見た目を改善し、機能を回復するための治療方法ですが、すべてのケースに適しているわけではありません。以下のようなケースでは向いていないことがあります。
周囲の歯の健康状態が悪い場合
アレルギー体質の人
頻繁に外れやすい場合
審美的な要求が高い場合
部分入れ歯は隣接する歯に支えられるため、これらの支持歯がむし歯や歯周病で弱っていると部分入れ歯の装着が困難になることがあるでしょう。部分入れ歯の素材に対してアレルギー反応を示す可能性がある人は、その材質を避ける必要があります。
頻繁に外れやすい場合、装着部が小さかったりや噛む力が強かったりすることがあります。その場合、入れ歯が外れやすく、適切な機能を果たせないことがあるでしょう。部分入れ歯は見た目が完全に自然な歯と同じにはならない場合があります。特に前歯の審美を重視する場合は、ほかの選択肢の方が適している可能性がありますよ。
前歯の部分入れ歯は、見た目を維持しながら失われた歯を補う治療法です。前歯を失う原因としては、重度のむし歯、歯周病、外傷などがあります。
失ったまま放置すると見た目の問題や食事がしにくくなる、噛み合わせの悪化、発音の不具合などのリスクがあるでしょう。
治療方法にはブリッジ、入れ歯、インプラントがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。部分入れ歯は低コストで修理も容易ですが、違和感や見た目の問題がある場合もあります。
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