セラミック治療の特徴
- 2023年5月1日
- 歯科
こんにちは。院長の中村です。
今回は、銀歯が劣化したら検討したいセラミック治療、その治療期間や特徴についてご説明致しますね。
詰め物や被せ物には耐用年数があるはずです。仮に保険診療の補綴(ほてつ)物を入れていたとして、それをセラミック素材に入れ替えたら、どれくらいの手間や時間がかかるのでしょうか。再処置の必要性も含めてご説明致します。
まず歯の詰め物や被せ物には、色々な素材があります。
治療費や噛んだときの感触、耐久性も含めて、様々な選択肢が用意されています。同じ「セラミック」という素材でも複数あり、固さや色合いといった多様な観点から、ご自身に合った技工物をつくることができます。なお、「セラミック治療」には、「すでに治療済みの箇所の素材をセラミックへ替えるケース」と「新たなむし歯を削ってセラミック素材で処置するケース」があります。
新しくできたむし歯は、「むし歯治療」という別の枠組みの中で、時間や費用を検討していきます。まず最初に治療済みの箇所に対する別素材への「交換」のケースについてお話し致します。例えば、銀歯が古くなってきたのでどうにかしたいというご要望です。ただし、「古い詰め物を取ってみたら、その中でむし歯が再発していた」というケースも多々あり、様々な対応が必要になりますね。
交換する流れや通院回数については
医療機関によって差はあるものの、一般的に治療回数は「3回」程度で済むと思われます。1回目に銀歯を取り、型取りして仮の技工物を入れる工程をおこない、2回目に型取りした本番の技工物を入れる工程まで進みます。そして最後に、取り換えた本番のセラミックに不具合などが起きていないか確認する工程で完了です。なお、費用は素材によって変わりますので、事前に確認しておきましょう。
続いて治療期間についてです。
院外に発注している場合なら、技工物製作だけで1週間ほどかかるかもしれません。最後の経過観察については、やはり1~2週間ほど使ってみて、様子を確認するため来院していただきます。
ケースとして多いのは、やはり銀歯からセラミックへの交換でしょうか?
その理由としては、主に見た目の問題です。特に下の歯は笑ったり、お話したりするて銀歯が見えてしまったりします。また、治療済みの銀歯が劣化して「合わなくなってきている」ことも考えられます。歯と詰め物の間にわずかでも隙間ができると、そこからむし歯菌の侵入を許してしまいます。加えて、金属アレルギーの問題もあります。
銀歯は劣化する期間としては、
銀歯の耐用年数についての研究報告があり、それによると、「5~7年で、脱落や、むし歯・歯髄炎などの病気が起きてくる」そうです。また、痛みなどの自覚がない段階から交換したいという患者さんもいらっしゃいます。
今回取りあげたいのは、むし歯の再発というより「脱落」です。
このあたりは、難しいところなのですが、セラミックで使う接着剤は、歯と一体化することで長持ちします。しかし、内部のむし歯などにより接着力を失うと、むしろ「ポロッ」と取れやすくなるのです。対する銀歯は、「別物で隙間を埋めてくっついているだけ」なので、歯と一体化していません。接着剤が溶け出して隙間を生む一方で、銀歯がアンダーカットにうまくはまり込んでいると、なかなか“取れない”うえに内側から虫歯が進行しているケースもあり、神経まで行ってしまったていて歯髄炎をおこしているケースもあるのです。
つまり、隙間が生じることで、逆にはまっていくわけですねそのうえ、金属アレルギーの問題もあることもあります。
もし、なんらかの体調不良があって銀歯を入れているとしたら、金属アレルギーを疑ってみてもいいでしょう。とくに、昔の銀歯に使われていた「アマルガム」という素材は、体に害をなすことで知られています。なお、金属アレルギーの諸症状は、お口から離れた体の各所にも起きます。金属がイオン化して血中に入り込むと、体の末端にたまりやすくなるからです。心当たりがあれば、皮膚科などでパッチテストを受けてみてください。
必ずしも「見た目の問題」だけではありません。
例えば、セラミック素材自体に、汚れや細菌を付着させにくいという特徴があります。。なるべく丁寧なカウンセリングをおこなっている歯科医院で、色々と教わってみてください。
セラミック以外の素材の選択肢としては
レジンというプラスチックの一種か、金属なら金やパラジウム合金、チタンでしょうか。なお、とくに、金は自然歯の硬さに最も近く、周辺の歯がすり減ってくるのと同じスピードでなじんでくるため、金属アレルギーのない人の一部で根強い人気があります。
セラミックの中でもジルコニアセラミックは硬く長持ちをする良い材料として知られています。万が一破損しても、セラミックの技工物だけをつくりなおせば、問題は解消されます。他方の銀歯は、むし歯の再発などにより、ご自身の歯を痛めてしまいかねません。しかも、はまり込んで取れにくくなっていることが考えられます。ぜひ、痛みなどの自覚が出る前に、銀歯の状態を確認しておきましょうね。
銀歯は、接着剤の溶けだしによって隙間を生じさせても、外れずにくっついていることがあります。その点、セラミックはしっかりと接着をします。ですから長持ちする一方で、むし歯などにより接着力が奪われると、脱落しやすくなるとのこと。詰め物の内部のむし歯に気づきやすいのはセラミックであり、知らないうちにむし歯を重篤化させてしまうのが銀歯とも言えるでしょう。セラミック素材への交換は2~3回の受診で済むので、
積極的に検討してみてはいかがでしょうか。
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