インプラント手術について
- 2023年3月23日
- 歯科
こんにちは。院長の中村です。
今回は、石神井公園駅前四季デンタルオフィスのインプラントについてご説明致します。
当院のインプラント手術はインプラント会では知らない先生はいない、東京医科歯科大学のインプラント科を立ち上げた大ベテランのDr.塩田真が全て担当致します。
歯の最も重要な役割は言うまでもなく「噛む」ことです。
しかし、噛むこと以外にも歯には「顔の表情を決定する」という重要な役割もあります。
表情、喜びの表現、自然の笑顔に歯は大切な役割を果たしています。歯は会話を交わすためにも、美しい表情にも不可欠な要素なのです。歯はその人のライフスタイルやライフクオリティーに大きく影響しているのです。
歯を失うという事
年齢を重ねるにつれ、虫歯や歯肉の病気、あるいは事故などで歯を失うトラブルに見舞われることがあります。永久歯は一度失うと、二度と生え変わってきません。そのため今までは「入れ歯」などを用いるしか補う方法はありませんでした。
しかし、「入れ歯」だと固いものが噛めない、発音がおかしい、また長く使用している間に合わなくなってガタついてきたりする場合があります。このように、歯を失ってお悩みの方に新しい治療法、「インプラント治療」をご紹介いたします。
インプラントとは
インプラントとは、失ってしまった天然歯の替わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
従来の入れ歯とは違って、健康な歯を削る必要もなく、固定性であるためガタついたりせず、自分の歯と同じように“食べる・話す”ことが出来るようになります。
インプラント治療は、歯を1本失った場合はもちろん、数本失った場合や全ての歯を失った場合でも治療が可能です。
インプラント治療について
インプラント治療の順序など基本的な知識をお伝えします。
まず、インプラント治療の流れを知りましょう。
インプラント治療を希望される場合、まずは医院にて担当医と問診、カウンセリング、口腔内の検査を実施します。併せてレントゲン撮影、場合によってはCT撮影をしたうえで、結果を分析しつつ診断を致します。
また歯周病検査にて加療必要な歯周病の所見があれば治療を行ない、また重度の虫歯があればこの段階で治療します。歯石除去なども行ない口内環境が良好な状態になってから、インプラント治療を始めます。
インプラント治療は「1次手術」、「2次手術」、「上部構造作製」という段階で進行していきます。
「1次手術」は顎の骨へチタン製の「インプラント体(人工歯根)」を埋め込む手術です。術野へ局部麻酔を施し、痛みを感じない状態にて行います。
粘膜の切開、剥離、骨へのホール形成、「インプラント体」埋入、創部を縫合し「インプラント体」を粘膜下に埋入します。手術時間は部位、埋入本数、増骨の有無など症例によりケースバイケースですが概ね20分~60分ぐらいです。
「2次手術」は「1次手術」で埋入されたインプラント体へ「アバットメント(土台)」を取り付ける処置です。
麻酔を施し「インプラント体」直上の粘膜を切離し症例により適した「アバットメント」を取り付けます。縫合する場合と無縫合の場合があります。手術時間は10分~30分ぐらいです。
「上部構造作製」は型を採り、人工の歯を作る工程です。麻酔は必要ありません。製作期間の後上部構造を装着することでインプラント治療完了となります。
「1次手術」と「2次手術」の間は上顎で5~6ヶ月、下顎で2~3ヶ月の待機期間が必要になります。
「2次手術」と「上部構造作製」の間は上下顎ともに2週間~1ヶ月の待機期間が必要になります。
大まかな流れを簡単に解説しましたが、症例にもよりますが上顎で約7ヶ月、下顎で約3ヶ月の期間が必要になります。
インプラント治療は「手術」が必要であるということ
「インプラント」治療は外科手術が必要となりますので、全身状態、病歴、常用内服薬などについて、担当医の問診のうえで治療の可否、時期を診査させていただきます。
手術となると気になるのは「痛みはどのくらいあるのか?」という点ではないでしょうか。インプラント手術は、局所麻酔を施したうえで実施しますので手術中に痛みを感じることは全くありません。
しかし全身麻酔ではありませんので意識は覚醒した状態です。そのため手術中に極度に不安を感じたり、あるいはパニックになってしまったりする方もいらっしゃいます。
そのような方には静脈内鎮静を用いた鎮静法を用いる場合もあります。この手法なら全身麻酔よりも身体への負担は少なく、意識が鎮められ落ち着いた状態で極度な不安を感じないままに手術を受けられます。不安を感じやすい人などは相談してください。
「顎骨」がなぜ重要なのか
必要な骨の幅や厚みが不足しているために、そのままの状態ではインプラント治療ができないこともあります。
具体例としては長い間義歯を装着していた影響のために顎骨が痩せてしまっていたり、抜歯後に長期間放置したことにより顎骨の吸収が過度であったりしたり、また腫瘍など病気が原因で顎骨の一部を失ってしまった方などです。
こういった状況では増骨材を用いた骨造成法など、さまざまな手法で足りない骨を補う必要があります。インプラント手術はチタンを骨に埋め込むことが必要ですので、まずは埋め込むための顎骨の状態が重要になります。
インプラント手術は痛い?
「手術」と聞くと不安に思われる方も多いのではないでしょうか。痛みはどのくらいあるのか、自分は痛みに弱いが大丈夫だろうか、と心配な方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ご安心ください。施術前に充分な麻酔処置を行いますので術中、術直後にお痛みを感じることは全くありません。
手術、手術後
まずは局所麻酔を施します。局部麻酔ですので全身麻酔のように意識を失うものではありません。術野と口腔内の消毒の後、衛生状態、麻酔の効果を確認して手術を始めます。
歯肉を切開、剥離し、顎の骨にドリルを用いてインプラント・ホールを形成します。インプラント体を埋入、必要に応じて増骨処置を施し、確認、消毒の後に歯肉を縫合します。
埋入本数、増骨処置の有無など症例によっての違いがありますが、所要時間はトータルで20~40分ぐらいです。
他の歯科治療と比べても決して時間の掛かる治療ということはありません。
事前の診査、診断により、また規格化された術式により処置予見性の高い治療といえます。
麻酔は1~2時間で効果が減弱してきますが、術直後、まだ麻酔が効いている間に院内にて消炎鎮痛薬(痛み止め)を内服していただくことで、4~5時間まで鎮痛効果が持続します。
その後も帰宅後、就寝まで4~5時間おきに痛み止めを内服いただくことで、翌日以降にはお痛みはかなり落ち着いた状態になります。
通常は抗生剤(化膿止め)を1週間内服していただきます。また、うがい薬による食後の含嗽をしていただきます。痛み止めは手術翌日以降は必要に応じて内服していただきますが、ほとんどの症例で2~3日までの服用でお痛みは落ち着きます。
手術後の注意点
手術後当日は飲酒や激しい運動、入浴を控えていただきます。血行の促進により手術箇所から再出血することがあるからです。適度に安静にし、温めのシャワーで済ませましょう。また、過度のうがいも出血の原因になりますので控えてください。
なお、喫煙は血行が悪くなり骨とインプラントの結合によくない影響を及ぼす可能性があります。手術前後は喫煙も控えるようにしましょう。
インプラント手術が怖い方へ
インプラントの手術が怖いという方の不安にお答えします。
インプラントに恐怖心がある方へ
インプラント治療は痛いのではないか、怖い、など不安に思う方も多いようです。
まず多くの方が心配される“痛み”ですが、治療する箇所に麻酔を行ないますので手術中に痛みを感じることは全くありません。
また、手術後に痛みが出たりひどく腫れたりするのではという不安を感じる方も多いようですが、基本的には痛みが大きく出ることはありません。
処方します痛み止めの内服で充分に痛みをコントロールすることができます。ただし、部位と範囲によっては術後に腫れる場合があります。
術後5日くらいまでには消退します。また、まれに表皮に内出血斑が出る場合がありますが、10日~2週間までには消退します。総じて患者様が事前に想像されるほどには痛みや腫れはでません。
怖くなくなる「静脈内鎮静法」
子供の頃の歯科治療で、歯科医院がトラウマになってしまったという方もいらっしゃいます。そういった方は治療中に突然不安を感じて動揺したり、恐怖心を感じやすくなってしまったりする場合も考えられます。
また、患者様の中には、手術に伴う雰囲気が苦手で、手術中に大きく血圧が上がったり呼吸が乱れたりする方もいらっしゃいます。インプラント手術で行なわれるのは局部麻酔ですので意識ははっきりしており、会話も充分聞こえます。
そのため治療中の音や振動がリアルに感じられるために不安を感じやすい方は、パニックになってしまう可能性もあります。
静脈内鎮静法は、眠る前のウトウトとした状態でリラックスしているうちに治療が終わりますので、自分は極度に不安を感じやすい方相談して下さい。
危険性を理解し、不必要に怖がらない
手術という言葉や顎骨に金属を埋め込むなどの言葉に必要以上に恐怖心を持ってしまい、インプラント治療に踏み込めないという方もいらっしゃいます。
手術ですので、もちろんさまざまなリスクファクターは存在します。ですが、歯科医院側でもそのリスクを減らすべくさまざまな対応や対策を行なっています。
自分が抱えている持病がある場合、例えば糖尿病の方は傷が治りにくかったり骨とインプラントがくっつきにくかったりするなどの問題がありますので、事前に歯科医院にてカウンセリングを受けて治療可能かどうか確認してみましょう。
自分が不安に感じることや怖いと思うことを相談し、納得したうえで治療を行なうことが大切です。
骨が足りない、少ない場合
インプラント治療に骨が足りない、少ない場合はどうするかご紹介します。
インプラント治療ができない?
人工の歯根を埋め込むことで天然歯と変わらない食生活を送れるインプラントですが、じつはすべての人がインプラント治療を受けられるわけではありません。
心筋梗塞や高血圧、糖尿病などの全身疾患をお持ちの方は相談のうえで決定されますので、絶対にできないというわけではありません。
顎関節症・咬合異常といった口腔疾患をお持ちの方のなかでも、インプラント治療が難しい場合があります。重症度によってはインプラントの前に咬合治療を行なう必要があります。また重度の歯周病の方も難しいとされていますが、治療と本人の口腔衛生意識(毎日のブラッシングなど)により治療を行なうことも可能になります。
以上のように既往症によってインプラント手術が行なえない理由はさまざまですが、それ以外にも「顎の骨が足りない、薄い」などの理由でインプラント治療が難しい場合があります。
骨が足りない、骨が薄いとは?
「顎の骨が足りない、薄い」とはどういう状態かといえば、もともと骨が薄い場合、また、何らかの原因で歯を抜いてその後に顎骨の回復が不十分である場合などが挙げられます。インプラント治療はインプラント体を骨に直接埋め込むために骨自体の幅と厚さが必要なのです。
今までは骨が足りないなどの理由でインプラント治療が行なえず入れ歯もしくはブリッジで対応するしかない症例もありました。
しかし最近では、さまざまな手法により骨を造成ことが可能になったので、インプラント治療の適応範囲が増えてきています。
さまざまな骨移植、骨造成
「骨が足りない、薄い」場合、骨の足りない部分の主に水平的な骨造成、骨幅の拡大再生を促す技術です。次にソケットリフト法があります。これは上顎臼歯部の骨の高さが足りないときに行なわれる方法です。
そのほかに、ソケットリフト法でも対応ができないくらい上顎の骨が著しく薄い場合には、サイナスリフト法という、インプラント埋入に先駆けて大幅に骨造成をする方法もあります。増骨には自家骨を移植する場合もありますし、合成増骨材を用いる場合もあります。
いろいろな対処方法がありますので、まずは石神井公園駅前四季デンタルオフィスに相談して下さい。
インプラント治療後のメンテナンス
インプラント治療後のメンテナンスについてご紹介します。
治療が終わってからが本当のスタート
インプラント治療が終わった後において、最も重要なのが毎日の歯磨きです。天然の歯と比較するとインプラントのほうが根元の凹みが大きいため、ブラッシング時に磨きにくいという注意点があります。
磨き残しなどがないよう、正しいブラッシング方法で磨くことが重要です。ブラッシングにプラスして歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使うのも効果的です
インプラント治療後は最低でも年に1~2回は歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。もし歯周病の危険性が高まれば、2~5ヶ月ごとの通院が必要になることもあります。
メンテナンスの頻度などについては相談のうえで決定していくのがいいでしょう。基本的には天然歯と同様のメンテナンス(歯磨き)方法です。正しい歯磨きをしっかり継続できればインプラントは一生使用できます。
メンテナンスを怠ると細菌感染の恐れアリ
定期的な医院でのチェック・アップ、メンテナンスでは歯肉の炎症の有無、噛み合わせの変化の有無などを調べます。また時にはレントゲン撮影によってインプラント治療を行なった部分の周りの骨の状態を確認します。歯垢(プラーク)や歯石の付着があればこれを取り除きます。
歯にプラーク、汚れが多い場合、歯磨きの仕方や生活習慣の問題がないかをチェックし、歯科医師が改善のためのアドバイス、ブラッシング指導などを行ないます。
ブラッシングなどの日々のメンテナンスを怠ると、プラークに含まれる細菌に感染してインプラント周囲炎になってしまうリスクがありますので注意しましょう。
治療後は何回通えばいい?
インプラント治療後のメンテナンスは、一般的には6ヶ月に1回の頻度で行なうことが多いです。ただし、インプラント部分に限らず口腔内全体の問題として、継続的定期的な医院でのチェック・アップとメンテナンスすることが大切です。
口腔内の歯周病的傾向、喫煙、食生活、ストレスの多い暮らしなどのリスクファクターがある場合は、歯科医師と相談して通院の頻度を決めるのがよいでしょう。
インプラント治療のメンテナンスで行なうこと
インプラント治療のメンテナンスで行なうことをご紹介します。
なぜメンテナンスが必要なのか
インプラント治療後になぜメンテンナンスが大切かといえば、天然の歯と比較してインプラントのほうが根元の凹みが大きく磨きにくいからです。そのために歯垢がたまったり、それによりさまざまな問題を引き起こしてしまったりします。
インプラント治療後に大切なメンテナンスは、毎日の歯磨きです。自分なりの歯磨きではなく、歯科衛生士に指導された正しい方法で磨くことが重要となってきます。もちろん歯間ブラシまたはデンタルフロスなども併用してください。
インプラント治療後は最低でも年1回から2回、専門家によるメンテナンスを受けることが大切です。なお歯周病になる危険性が高いと想定される場合は、2~4か月ごとの通院が必要になる可能性もあります。主治医のアドバイスにきちんと従って定期的にメンテナンスを行ない、さらに本人によるしっかりとした歯磨きが継続すれば、インプラントは一生使用できるます。
メンテナンスをしないとどうなる?
適切なメンテナンスを行なわなかった場合は、インプラント周囲炎になるリスクが高くなります。インプラント周囲炎が進行することでインプラントを支える顎の骨がダメージを受け、インプラント自体が抜けてしまう恐れもあります。インプラント周囲炎は進行しやすいので注意が必要です。
噛み合わせが変移し、調整されないままで使用していると、インプラントに過度の負担をかけトラブルを招くことも考えられます。インプラントを長く機能させるには、定期的なチェック・アップと適切なメンテナンスが必要になってきます。
メンテナンスで行なうこと
歯科医院でのメンテナンスを受ける場合、まず歯や歯肉、粘膜などの状態を確認し炎症や汚れの有無をチェックします。また、状態によってはレントゲン撮影を行ない、インプラントを埋め込んだ周囲の骨の状態を確認します。
状態を確認したのち、歯に付着したプラークと呼ばれる歯垢や歯石などの汚れを落とします。これを行なうことでインプラント周囲炎や歯周病になることを防ぐことができます。
その後、歯磨き方法や生活習慣に問題が発生していないかチェックを行ないます。ブラッシングに問題がある場合は炎症を引き起こす可能性もあるので歯科医師のアドバイスを受けます。
保険は適用されないの?
インプラント治療は国民健康保険が適用されない自由診療です。そのため各歯科医院で料金設定には違いがあるのです。
健康保険は適用されませんがインプラント治療は医療費控除の対象になりますので、税務署に申告を行なえば支払った治療費の一部が還元されることになります。
詳しい詳細は治療前に各都道府県の税務署に相談してご確認ください。
ブリッジや入れ歯は安く、インプラントは高いというわけでは決してありません。ポイントとしては保険が適応されるなら安く、保険外診療は入れ歯でも高額になるという点です。
入れ歯やブリッジ、インプラントそれぞれの耐用年数を考えたうえでランニングコストを計算し、自分にとってどれがベストかを選択するのがいいでしょう。
インプラントは基本的に健康保険が適用されるいわゆる「保険診療」ではなく「自由診療」になります。そのため保険診療に比べて治療費は高額になります。
治療費は使用する材料のメーカーや品質などによって変わってきます。歯科医院によっても料金は異なりますが、費用の内訳などを確認し、トラブルのないように治療がスタートする前にカウンセリングを受けて相談するのがいいでしょう。
●インプラントのQアンドA
治療に通う回数や期間は?
個人差はありますが一般的には3ヵ月~1年程度という方が多いようです。通院回数もそれぞれ異なります。
初診時に口腔内の検査、レントゲンやCT検査等を行ない問題がないと判断されれば2回目でインプラント体を埋入する手術となります。
インプラントがあごの骨と結合するのを待ち、3ヵ月以上経過してから次のステップへ進みます。
最終的には歯列の型を採る「印象採取」を行い、完成した人工歯をインプラント体に装着し完成となります。
インプラントはどのくらい長持ちする?
一般的にインプラントは95%以上の確率で10年は保つといわれています。入れ歯は平均5年、ブリッジは8~9年の寿命とされています。
ただしインプラントといえどもブラッシングなどのセルフケアを怠れば歯周組織の感染が起こり、インプラント体周囲の歯槽骨が吸収することになってしまいます。
長持ちのためにも毎日のケアと適切な間隔での定期検診とプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。
まずは石神井公園駅前四季デンタルオフィスへご相談を。