親知らずって抜くものなの?
こんにちは。院長の中村です。
今回は親知らずについてご説明致します。
当院で、若い患者様から、よく親知らずが生え来たので抜かないといけないですよね、というご質問があります。今回は親知らずについてご説明致します。
必要ではない親知らずが、なぜ生えてくるの?
●親知らずと呼ばれる歯について
一般的に親知らずと呼ばれる歯は、歯の一番奥に生える永久歯のことで、智歯(ちし)や第三大臼歯とも呼ばれます。一般的に15歳~18歳くらいから親知らずは生えてくるといわれていますが、必ずしも誰もがきれいに見えるように生えるとは限りません。
というのも、親知らずが正常に生えてくる確立が低いからです。親知らずは生えてきても完全な形で生えることはまれで、斜めに生えたり不完全の状態のままだったりします。そうなると歯肉に炎症がおきて腫れと痛みを伴うばかりか、歯並びが悪くなるケースもあります。
●親知らずが生える際の痛みについて
親知らずが生える際には、横向きに生えるケースが多く、腫れや痛みがなくても歯みがきがしづらい部分にあるため、周囲の歯肉に炎症(智歯周囲炎)を引き起こし、痛みを感じることもあります。また、見えていなくても歯茎の下にある事もあり、知らず知らずのうちに手前の歯を虫歯にしたり、親知らず自身が虫歯になる事が多々あります。親知らずと呼ばれる第三大臼歯は、なくても身体には問題のない歯なので、ほとんどの場合に第三大臼歯は抜歯されます。では、必要でない親知らずが、なぜ生えてくるのか不思議に思われるでしょう。
●親知らずのメカニズムとは?
最後に生える永久歯なのです。
ここからは、親知らずのメカニズムについてお伝えします。親知らずは先にお伝えしているとおり、歯の一番奥にある第三大臼歯と呼ばれる歯です。小学生時代に親知らずが生える方は少なく、中学生から高校生時代に生えることが多いです。その理由は、第三大臼歯は最後に生える永久歯なので、高い年齢になって生えることとなるからです。人によっては、20代前半で生えてくることも珍しくありません。そのため、親に知られることなく生えてくるので「親知らず」と呼ばれるようになったといわれています。親知らずは生えない方もいますが、基本的には上下に各2本、合計4本生えてきます。
●大昔は必要だったが、現代では不要
大昔は必要だったが、現代では不要
元々昔の人間にとって第三大臼歯は必要な歯で、正常に生えてきていたのです。昔といっても大昔のことになりますが、当時の食材は木の実や動物の生肉、穀物など硬い食材ばかりです。そのため、あごの骨も発達しており親知らずが生えるスペースがしっかり確保されていました。ところが、現代では大昔ほどの硬い食材を食べることがなくなったので、それに合わせてあごの骨が未発達となり親知らずが正常に生えるスペースがなくなってしまったのです。このように、大昔では必要とされていた親知らずですが、現代では抜いた方がよい歯と変ってきています。
●親知らずは抜歯すれば何の問題もないの? 親知らずの抜歯後のトラブル
親知らずが生えてくると、ほとんどのケースで抜歯が必要となります。「ほとんど」という言い方になっている理由は、ごくまれに親知らずが正常に真っすぐに生えて、上下の噛み合わせも問題がない場合があるからです。そんな親知らずなら正常な奥歯の機能を有している、第三大臼歯としての利用が可能です。また、真っすぐな生え方でなくても、隣の歯である第二大臼歯に悪影響を与えないのであれば、無理に抜歯する必要はありません。
●親知らず抜歯後の痛みはどうなるの? 抜歯後の痛み
親知らずの抜歯は外科的手術となるので、抜歯後は違和感を覚えてしまうのは仕方ありません。ただの違和感なら問題ないのですが、これが腫れや痛みになると辛くなります。親知らずの抜歯を行ったその日が、痛みのピークとなりますが処方される痛み止めを飲めば、痛みを感じることはそうありません。
●親知らず抜歯後の麻痺やしびれは早めの相談 下歯槽神経麻痺やオトガイ神経麻痺の症状
親知らずを抜歯した後、麻酔が切れているはずなのに、過敏な痛み、舌の痺れ、会話のしづらさなどがある場合は、下歯槽神経麻痺(かしそうしんけいまひ)が疑われます。下歯槽神経麻痺(かしそうしんけいまひ)とは、下顎の親知らずを抜歯した際に、下顎の骨の中を通る下歯槽神経が損傷や圧迫を受けることで起こる神経麻痺です。
●親知らずを放置しておくとどうなるの? 親知らずのリスクとは?
親知らずは生えてから放置しておくことで様々なリスクに繋がりますが、抜歯した後もリスクを伴うことがあります。親知らずによる顎関節症は、親知らずを放置した際も、抜歯した後でも起きてしまう症状のひとつです。
●親知らずの隣の歯が虫歯になりやすい? 奥歯の第二大臼歯への影響
親知らずは真っすぐに生えることは珍しく、ほとんどの場合、横向きに生えてきます。その結果、歯みがきをしても上手く汚れが除去できず、奥歯の第二大臼歯との隙間に汚れが溜まってしまいます。そうなると、親知らず自体も虫歯になりますが、第二大臼歯も虫歯になるリスクが高まります。
●親知らずは残すべき、抜くべき? 親知らずの抜歯の必要性
親知らずは抜歯したほうがよいのか、温存したほうがよいのか、一般の方には悩ましいところです。親知らずを温存できる条件は、他の歯と同様に真っすぐに生えていて、上下の噛み合わせも問題なく機能していることです。このような条件を満たす方はほんの少数であり、ほとんどの方が条件を満たさないので抜歯することとなります。
抜いた方が良いかは、石神井公園駅前四季デンタルオフィスへまずご相談を。