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医療コラム

咬み合わせが悪いとは?|石神井公園駅前四季デンタルオフィス|石神井公園駅徒歩1分の歯科

咬み合わせが悪いとは?

こんにちは。院長の中村です。

 

そもそも「かみ合わせが悪い」とは、具体的にどのような状態のことでしょうか?についてご説明致します。

 

 

一言でいうと、下顎の位置が身体の中心に正しくぶら下がっていない状態です。下顎の骨は特殊で、頭蓋骨に筋肉でブランコのようにぶら下がっています。ブランコが動く様子を想像するとわかりますが、ブランコの座るところを横に向けたり斜めから動かしたりしたら、無茶苦茶な動きになりますよね。下顎の動きもこれと同じで、身体の中心にまっすぐぶら下がっていないと、正しい動き(かみ合わせ)は絶対にできないことになります。人間以外の動物では下顎の位置が変わることはまずありませんが、人間の下顎は成長期以降ほとんどの人がずれてしまうので、正しいかみ合わせができなくなっています。

 

なぜ、動物は変化しないのに、人間の顎の位置はずれてしまうのでしょうか?

 

 

それは直立二足歩行と四足歩行の違いなのですね。人間の下顎がずれてしまうのは「直立二足歩行を選択した宿命」とも言えるでしょう。通常、直立二足歩行の人間は食事以外で奥歯がかみ合うことはありません。つまり、下顎をぶら下げて日常生活を送っているので、外から受ける力に影響されやすいのです。一方で、四つ足の動物は常に奥歯が当たっています(実際に四つん這いになって顔を上げてみるとわかります)。下顎が上下の歯で常に固定されるため、外からの影響を受けにくいのです。そのため、人間は成長と共に下顎がずれてしまい、子どもと大人とで顔立ちが大きく変わってしまうことが多い一方、犬や猫は下顎がずれないので大きくなっても顔立ちに大きな変化がありません。

 

 

 

かみ合わせが悪くなる原因の1つとして、歯並びも関係しています。しかし、歯がどんなに綺麗に並んでいても、それが「かみ合わせが良い」ことにはなりません。繰り返しになりますが、かみ合わせの良し悪しの根本は下顎の位置なのです。

 

 

 

かみ合わせが悪くなる、つまり下顎の位置がずれる原因には、どのようなものがありますか?

 

 

先ほどもお話ししたように人間の下顎は常に外からの力、すなわち「外力」の影響を受けます。特に成長期は様々な外力の影響を受けやすく、下顎の位置がずれやすい時期と言えるでしょう。

 

 

 

「外力」とは、具体的にどのような力なのかを説明致します。

 

 

人間の下顎はぶら下がっているので、地球上での生活では重力や自転の影響を受けています。実際、オーストラリアのメルボルンでおこなわれた調査では、北半球と南半球とでは顎のずれの傾向が真逆であることが判明しました。また、普段の生活においては「常に同じ方向を向く」「頬杖をつく」といった、いわゆる悪習慣にも気をつけてほしいです。特に成長期の子どもでは、このような外力を受け続けると下顎がずれやすくなります。

 

 

そのほかに、顎の位置がずれてしまう要因としては、

 

歯の形や生え方が原因で下顎の動きが妨げられ、ずれてしまうこともあります。むし歯を作ると変則的なかみ方になり、下顎のずれにつながります。特に第一大臼歯のむし歯を放置していると、顎関節の成長が妨げられて下顎のずれだけではなく、顎関節症をも発症してしまいます。成人では、歯の喪失は下顎のずれを生みますし、歯科治療での被せ物や入れ歯も下顎のずれを引き起こす原因となりますので要注意ですよ。

 

 

 

以上のお話から推察すると、悪いかみ合わせを治すためにはやはり顎を正しい位置に戻すことが先決ということです。

 

 

顎の位置がずれた状態のまま歯並びを治す矯正治療や、詰め物や被せ物などの補綴治療を受けても、見た目の歯並びは良くなりますが、かみ合わせは良くはなりません。

 

 

では、大元となる顎の位置を正しい位置に治してから、それ以外の治療をおこなうという流れが基本的になるのですが、

 

全てのケースで下顎の位置を正常にして、その後に歯列矯正や被せ物などをして完璧に治さないとダメかと言われたら、必ずしもそうではありません。もちろん、そこまでをゴールにして治療するのが理想です。ただ、費用や期間の問題をも考慮すると現代の文明社会においての食生活では完璧な咀嚼運動を再現しなくても十分に栄養が摂れますので、上下の歯への治療は再び下顎がずれてしまわないことを目標にして、最小限に止めることが多い傾向にあります。大切なのは、下顎が身体の中心にきちんとぶら下がってくれることなのですから。

 

 

顎の位置がずれるのを予防としては、

 

地球上での直立二足歩行の生活において、下顎のずれは宿命です。対策としてできることは、成長期に下顎がずれる原因となる悪習癖を防ぐことです。例えば、同じ姿勢や同じ方向を向いてばかりの習慣、頬杖、寝る時の姿勢などを見直すだけでもだいぶ変わってくるでしょう。また、むし歯予防も重要となりますね。

 

 

 

直立二足歩行の人間にとって、全身のバランスはとても大切です。たかがかみ合わせと思われがちですが、かみ合わせが悪くなると周囲の筋肉が無理をして、やがてそれが要因で全身に様々な影響を及ぼしていきます。原因がわからない体調不良などは顎の位置のずれによって起こっている可能性もあるため、気になる人は自身のかみ合わせを石神井公園駅前四季デンタルオフィスでチェックしましょう。

 

 

「かみ合わせ」と聞くと私たちは歯の位置や並びのことに意識が向きがちですが、かみ合わせが悪くなる根本には「顎の位置のずれ」が関係していることがわかりました。顎の位置がずれる原因には、日常何気なく行っている習慣やクセなどもあるため、そのような習慣やクセなどがないか一度振り返ってみましょうね。

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