義歯(入れ歯)について
- 2024年7月4日
- 歯科
こんにちは。院長の中村です。
今回のテーマは義歯(入れ歯)です。
義歯は食べられない、飲み込めされない、話せない、など患者様の身体の機能に直結していることなので重要性がとても高いのです。いわゆるQOLの低下に対してアプローチをするものですよ。
その分責任もとても大きいのですが、大学病院勤務時代から「先生が治療してくれた歯が命の次に大事」と言ってもらえるぐらい患者様に非常に感謝されることが何よりも嬉しいですね。特に高齢者の方は食べることが楽しみの一つだったりするので、貢献度が高い治療だと感じています。
貢献度が高く今後さらにニーズが高まると思われますが、現在、義歯の教育は非常に難しいのが現状ですね。
私自身現在も東京医科歯科大学の非常勤講師として、診療の傍ら4年生の大学実習を受けもって指導しておりますが、大学の中でも勿論義歯の教育が行われています。以前は実際の患者様のケースを、学生自身で実際に技工(入れ歯を作る)までして治療していました。しかし現在では難しくなり、臨床実習で上下総義歯の患者様をたまたま受け持ったとしても、技工までしないで卒業することも多いです。そもそも上下総義歯の患者様を受け持つこともなくなってきているので、教育の難易度が本当に上がっています。
義歯治療はある程度経験を積んでから自身の治療の良し悪しがわかるようになるので、歯科医師になってから困る先生もかなり多く、実際に開業医の先生は義歯でお困りの場合が多いんです。
正直なところ義歯は結構、難易度の高いことをしているんです。特に義歯の中でも、総入れ歯は無の空間に大きく歯を作るという難しさがあります。義歯で食事をするということは、口の中の粘膜の厚みは数ミリ、その下に固い骨があり、そこに金属症とプラスチックの物を上下につけているという状況だといえます。つまり、元々かなり高度なことを口の中で機能させないといけないという。
歯科医師も患者様も最初はそこまで難しく考えていないことも多く、あとで苦労するケースも。私は治療に際して、患者様にきちんと説明をして、日常生活でも義歯を上手に使いこなせるような状態までフォローやサポートすることが大事だと考えています。
歯をつけない時間を作っていだきたいです。いい義歯でも駄目になってしまうので、酷使している歯肉を休ませてあげる時間と清潔にケアする時間を作って欲しいです。
現状では、まだまだ適切な義歯の治療を受けられていない患者様もいらっしゃいます。やはり良い義歯を入れて欲しいですね。フィット感も全然違うと思いますよ。
全部床義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)、どちらが治療が楽ということはなく状況によります。歯が全くない状態も難しい、難しいということもあります。歯の残っている場所、本数、歯が欠損しているところの骨の量によって違うため本当に多種多様なんです。補綴の装置もぜんぜん違います。
多くの患者様が義歯に対してあまり良いイメージがないと思います。インプラントに比べて喋りにくい、うまく噛めないのでは?といいイメージをお持ちではないはずです。
そうではなく、適切な義歯をしっかり作っていれば、咀嚼は必ず回復しますし、見た目にもこだわれば、いい状態にできます。少しでもいい義歯で咀嚼するということを諦めずに求めて欲しいです。義歯が専門で得意な歯科クリニックを見つけ、いい義歯を作って楽しみのある人生を過ごしてくださいね。
入れ歯のことならば石神井公園駅前四季デンタルオフィスへ。