磁性アタッチメントと呼ばれる装置で入れ歯を固定する部分入れ歯
- 2023年8月16日
- 歯科
こんにちは。院長の中村です。
今回は磁性アタッチメントと呼ばれる装置で入れ歯を固定する部分入れ歯についてご説明致しますね。
磁性アタッチメント義歯とは、部分入れ歯の一種で、磁性アタッチメントと呼ばれる磁石を含む装置を残っている歯と入れ歯に組み込むことで、入れ歯を外れにくくすることができます。
磁性アタッチメントは、各種アタッチメントの中でも適応症が広いため、使えるかどうか是非ご相談下さい。
磁性アタッチメント義歯の仕組み
歯の根っこに磁石と引っ付く金属を仕込み、入れ歯の内面に磁石を仕込みます。入れ歯をはめたときに、それぞれのパーツが接触して磁力が働くことで、入れ歯を外れにくくします。
磁性アタッチメントの特徴としては、
磁性こには、以下のような特徴があります。
歯に負担をかけづらい。
他のアタッチメントと違い、機械的(装置同士をパチンとはめる)ではなく、磁力を利用しての維持力アップをするところです。機械的にはまっているわけではないので、強く嚙んだりして磁石と磁性金属の位置が少しずれると、自然と維持力が下がります。このことにより、残っている歯に負担をかけづらく、歯の寿命が延びます。
磁性アタッチメントの装置は薄く、設置しやすい。
磁性アタッチメントの装置自体の厚みが薄いため、設置しやすいです。
本数を増やしやすい。
機械的な維持をさせるタイプのアタッチメントを複数本利用するときは、装置の方向を入れ歯を出し入れする方向に平行にしなければなりません。平行でなければ、引っかかって着脱できなくなるためです。
磁性アタッチメントは、平たい装置でさらに方向の制限が少ないため、他のアタッチメントと比べて向きの規制を受けづらく、複数本入れやすいです。
他のアタッチメントより1本当たりの維持力は弱い
機械的にがっちりはまるタイプのアタッチメントの方が、磁力より維持力は高くしやすいです。但し、これは歯に負担をかけづらいという利点にもつながる点でもあり、磁性アタッチメントの本数を増やすことで、欠点をカバーすることもできます。
磁性アタッチメントの適応症
磁性アタッチメントの適応症は以下の通りです。実際に使用できるかどうかは、ご相談ください。
歯の根っこが残っている。(インプラントでも可)
磁性アタッチメントの装置を入れるスペースがある。
総入れ歯・部分入れ歯どちらでも利用可能。
磁性アタッチメント装置に生体親和性の良い材料を使います
磁性アタッチメント磁性アタッチメントの歯の根っこにつけるパーツ(キーパーと言います)は、生体親和性の良い金合金で製作します。
お口の中で錆びて金属アレルギーを引き起こしやすいと言われている金銀パラジウム合金は使用いたしません。
アタッチメント周囲に義歯の補強は必須です。
アタッチメントを装着する部位は、入れ歯の構造がどうしても複雑になったり、装置を入れるスペースを確保するために入れ歯が薄くなったりします。そのため、入れ歯の中に金属の補強構造を仕込むことで、強度を確保することができます。。
MRIを撮影しても大丈夫?
MRIは磁力を利用して、体内を撮影する装置です。撮影するときに磁石が入っていると、撮影に影響する可能性がありますが、磁石は入れ歯側に入っていますので、入れ歯を外して撮影していただければ基本的に問題ありませんが、取り外しのきくタイプもありますので、まずはご相談下さいませ。
入れ歯を入れたままMRI撮影はできません。MRI撮影時には、アタッチメント義歯を使用していることを相談されることをお勧めいたします。
入れ歯のことならば、補綴専門医、補綴指導医の石神井公園駅前四季デンタルオフィスへ。